domingo, 30 de julio de 2023

レモネードを飲もうと近所のカフェに来た。
ワイングラスに浮かんだレモンスライスがクラゲの頭のように見える。ゆらゆらと交差点の脇をすり抜けて、そのまま彼女の中の奥の方まで入っていってしまえと思った。
昨夜、
「みんなにもそうやって言ってるんでしょ」
と、彼女は言った。
そして、僕が
「そんなことはない」
と、言い返してもあまり響いていないようだった。

週末は、金曜日も土曜日も自堕落と放埒を100%の純度で享受してしまったから、皺寄せとしての今日はなかなかハードボイルドなものだった。二日酔いと胃もたれが体の中で巨大化し、二の腕がダルくて、トイレで水を流すのも億劫なくらいだった。そして僕は死にかけのずぶ濡れモグラのように、またベッドに入った。
午後、西陽を捕まえて全てを乾かしてしまおうと、ベッドシーツや枕カバーを洗濯機に放り込んだ。裸になったマットレスにはどうしようもないシミが刻印されていて、どうやって大家さんに伝えようかと、今でも言い訳が浮かばない。

交差点を慈悲なく駆け抜ける車とデリバリー・バイク。
きっとみんなに聞いてほしいんだろうなというボリュームで話す小太りのおじさんたち。

夜中3時半頃、
「この時間にこうして、しっかり覚醒した状態で話すのが好きなの。だって、私たち以外の音がないおかげで、あまりにも真っ直ぐあなたに届けられるでしょ。余計なものに気を使わなくてもいい、この開放感がたまらない。相対的に、私たちは自由で、軽快なの。」
と、彼女は言った。
カーテンを閉めずに横になっていた。街灯の黄色い灯と青白い夜の光が白いシーツと茶色い枕カバーに刺さった。僕らの体は小さい呼吸で上下に揺れて、共鳴した。彼女の髪の毛が僕の手首を撫で、その後でピアスが揺れた。

静かになったと思ったら、大声で話していたおじさんたちが席を立ち店から出るところだった。
でもよく見ると、おじさんたちではなく、おばさんたちだった。

遠くから見ると、細かなところを見失ってしまう。

夜中、微かな明かりの中で見た彼女はどんな顔をしていただろう。
あんなに近くにいたのに、僕はそんなことも見えずにいたのか。

「次に会えるのはいつ?」
「いつでもいいよ。本当」

近所に住んでいると、曖昧な約束だけでは返って距離が遠くなる。

相対的に開け放されている僕らは、自らを枠の中に嵌め込まないと身動きすら取れなくなる。
常に自由でいることは不可能なのだ。
不自由でいることが推進なのだ。

レモネードの氷が全部溶けて、クラゲは襞の扇子を広げている。

裸になったままのマットレスを救いにいかなければならない。
シミになった彼女の刻印はきっともう一生落ちることはないだろう。

しかし、言い訳さえ整えれば、その存在も保証されるはずだ。

3時半の世界に溶け込んだ僕らの言葉が、クラゲのようにいつまでも漂い続ける。
深い海の底まで夜の光が届けば、必ずや救いは訪れる。

レモネードの濁った緑が全ての西陽を吸い込んで、日曜日が終わりに差し掛かった。

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