結論：エクロックゲルは初めて保険で認可された腋汗用の多汗症の外用剤。けど、高い。

こんちゃ(*'▽')さいとりおです。

気温が暖かくなるにつれて、現れてくる悩みの１つに「汗をかく」ことがあります。いわゆる、多汗症ってやつですね。

多汗症にもさまざまな種類や原因があります。私もこの汗に悩まされる1人でもあります。「塩化アルミニウム」や「漢方」を試してみたりなど。

汗をかいたことが原因で、恥ずかしさや後ろめたい感情で日常生活に支障がでてしまう経験をした。

こういう人にとって、汗がでる状態をどうにかして止めたいはずだと思います。

腋（わき）汗に関していえば、昨年登場した「エクロックゲル」っていう新薬の外用剤（塗り薬）があります。

そこで、今回は腋汗が出て困ってるあなたに活用して欲しい、「エクロックゲル」について解説していきます。」について解説していきます。

エクロックゲル

エクロックゲルは令和2年11月に承認された「原発性腋窩多汗症用」の塗り薬です。

原発性腋窩多汗症って言い換えると、わきの多汗症です。
・服につく汗ジミができて恥ずかしい。
・脇腹にツーっと流れ落ちる汗が不快。

このような症状がよく原発性腋窩多汗症の患者さんにみられます。

今までの治療法として、塗り薬や注射薬、手術などがありました。このエクロックゲルは塗り薬の新薬として登場しました。

わきの多汗症のみの使用が限定されており、本邦では初めて保険で認可された多汗症の外用剤というわけです。

❑Point
エクロックゲルは、初めて保険で認可された腋汗用の多汗症の外用剤。

エクロックゲルの特徴

図参照：日本内科学会雑誌 106 巻 8 号

エクロックゲルはどんな薬なのでしょうか？

分類としては、神経伝達物質であるアセチルコリンの作用を阻止する「抗コリン剤」に分類されます。

発汗にはこのアセチルコリンがムスカリン受容体（M-R）っていう受け皿と結合することで汗腺から発汗を誘発すると考えられてます。

つまり、エクロックゲルがムスカリン受容体と結合することでアセチルコリンとムスカリン受容体の結合を阻害し、発汗を抑制するということ。

塗り薬でも効果が期待できるのは、汗腺が分布する皮膚中で活性があるためです。

体内に吸収後は速やかに代謝されることで、全身性の副作用の懸念が小さい薬剤となることが期待されます。

❑Point
エクロックゲルは、汗を出す指令を受け取れないようにブロックすることで、発汗を抑える働きがある。

エクロックゲルの使い方

エクロックゲルは１日１回、両腋（わき）に塗ることで、腋汗を止めることができます。キャップやアプリケーター、ポンプ、ボトルからなる専用の容器に入ってます。

アプリケーターに薬液を乗せて、そのまま腋に塗ることができるので手を汚さずに済む利点があります。

使うタイミングは、１日のうち１回ならいつでもいいです。おすすめする時間帯は、毎晩就寝前など決まったタイミングでの塗布がいいと思います。

しかし、効果や副作用に違いはないので、あなたのライフスタイルに合わせて使うことが一番です。

❑Point
エクロックゲルは、１日１回を腋に塗ることで汗を止めることが期待できる。

エクロックゲルの注意点

最後にエクロックゲルの注意点です。使用上に関しては、塗り薬と言えど「抗コリン剤」に分類される薬なので副作用には注意です。

副作用

口の渇き。
眩しさを普段より感じる。
おしっこが出にくくなった。
皮膚トラブル（湿疹やかぶれなど）

この他にも既往歴で閉塞隅角緑内障や前立腺肥大症の人には、使うとご病気の症状が悪化することがあります。

なので、あらかじめ主治医の先生に相談してください。

次に、経済的な負担について。エクロックゲルは令和３年１１月までは新薬扱いで１４日分までしかお薬をお渡しできません。

なので、エクロックゲルとして、１回１本の処方になります。ところが、この１本でも相当高く感じます。

３割負担の方であれば、エクロックゲル１本で１４６２円になり、ここに薬局の費用が掛かってきます。

１４日で１４６２円は経済的にも大きな負担が考えられるので、治療方針を主治医と話し合った方が良さそうです。

また、エクロックゲルは腋だけにしか使えません。理由は「原発性腋窩多汗症」と診断された者にか処方できない薬だからです。

原発性腋窩多汗症の診断基準

□ 最初に症状がでるのが25歳以下であること
□ 左右両方で同じように発汗がみられること
□ 睡眠中は発汗が止まっていること
□ 1週間に1回以上多汗の症状がでること
□ 家族にも同じ疾患の患者さんがいること
□ わき汗によって日常生活に支障をきたすこと

明らかな原因がないまま6ヵ月以上みられ、以下の6症状のうち2項目以上あてはまる場合を「原発性腋窩多汗症」と診断しています。

なので、誰もが全員希望してもエクロックゲルを使えるとは限らないということです。

とはいえ、頭部や手足からの発汗によって悩まれている患者さんは多く見られますのでエクロックゲルの適応拡大を待ちたいところです。

❑Point
エクロックゲルは、口の渇きなどの副作用があります。また、経済的負担が大きいことが予想される。

まとめ

・初めて保険で認可された腋汗用の多汗症の外用剤。
・汗を出す指令を受け取れないようにブロックすることで、発汗を抑える働きがある。
・１日１回を腋に塗ることで汗を止めることが期待できる。
・口の渇きなどの副作用があります。また、経済的負担が大きいことが予想される。

でした( ^ω^ )

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🔻この記事を書いた人🔻

派遣薬剤師｜病気になってから後悔される方が大勢いるのに気づく｜健康の内からできる疾病予防に努める。

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