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火焔と後光

 前回からの続き。

掻き落としが終わったら箔貼り。これにより透明な線描が輝きを放ちます。
今回は渋めの朱色の箔を使用。
乾燥後、刷毛で払うと付きが弱かった箇所が割と剥がれます。

 箔貼りの隙間。主に箔の貼り合わせる箇所から剥がれ、面白い形が生じます。
 ”重なり合う部分に生じる形”・・・そう言葉に発してみると、それだけで十分作家として惹かれるテーマにもなり得そうです。素材は作家がコントロールし扱うものでありつつ、その素材が、作家自身に教えてくれることは少なくはありません。そしてそれが制作の醍醐味でもあります。
 当然職人さんなら完全に埋めていくのだと思うけれど、絵の具と同じ扱いの作家の場合、これはこれで作品によってはありかなとも思う理由。
 この感じをどこまで残すか見つつ再度貼って仕上げていきます。

2~3度目の重ねを終え、ひっくり返し、表から。いい感じの色が出ています。
後光と重ねて。この金箔を貼った後光は中間層として後々重要な役割があります。

 残るは最前面の明王。ガラスを特殊加工するのに思ったより時間がかかってしまうようなので、しばし中断。

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