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「息もできない」똥파리

2022年10月某日

「息もできない」
原題:똥파리
監督,主演:ヤン・イクチュン
2008 韓国🇰🇷

google先生によると、原題の똥파리(トンパリ)とは、
「クソバエ」を意味する罵倒語である。

との事です。
ゴッドファーザーからのクソバエ(笑)

#スープとイデオロギー をご覧の方には親しみがお有りかと想像する、
ヤンヨンヒ監督のご主人荒井カオルさんが
一番好きな韓国映画だと書かれていたので、
観てみました。

クソだった(笑)

っていうのは冗談🤭

この写真の主人公を演じるのが、
監督のヤンイクチュン、
私はこの方は以前に書いた #大丈夫愛だ で #チョインソン の兄の役で出ていたのしか知りませんでしたが、
結構日本の作品に出てるんですね!
日本人映画人とのツーショット画像もネットに幾つもありました。
(菅田将暉とのあゝ荒野、面白いですか?観てみようかな…)

この映画の話をしますと。
うーん、何から書けばいいんだろう…

すごく抽象的ですが、
映画 #三姉妹 で描かれていた問題の中心部の様な映画。
あれは被害者である女性からの映画でしたが、
これは彼女達が苦しんだ実家、父親、
そのど真ん中にカメラを入れたような映画。

三姉妹の様に「〜のフリ」が出来ない程にど真ん中に閉じ込められた男と女子高生、その家族達のストーリーです。

#ムンソリ が「もう終わりにしたい」と言った言葉を思い出しました。

家父長制と女性蔑視、
上から下への絶対的な関係、暴力、
暴力と貧困の負の連鎖…

勿論韓国に限らない問題ではあるけれども、
韓国以外のそれと並べて語るのはちょっと違う…歴史と文化の呪縛の様な…うまく言えない。
うまく言えないのは、私が韓国で生きたことがないので所詮他人事でいられるって事なんですが。

でもドラマや映画を沢山観ると、
どうもこの連鎖は根深く染み付いていることを感じる。

しかし…クライマックスのところは…
#ゴッドファーザー の感想で書いた様な…
「いやそういう展開になるよねやっぱ…ハードボイルドだね…クソ…😑」
と思いもしましたが、

どちらのラストショットにも
共通するものがあり、それは希望ではないわけです。(ネタバレしちゃった?)

私的には、現状、希望が見出せてない問題に、
安易に希望のあるラストを作るのはあまり好きじゃない。

でも、その希望が見出せないというラストが、
ハードボイルド的に「シビレルぜ」みたいに受け取るのであれば、
「やっぱクソだな」
って思います。

家父長制が、男尊女卑が、
または韓国作品でよく観る、
軍隊式(なのかしら?)(儒教の教え?)の
年長から年少への圧力。

それは、そこにいる男性達が生きる「現実」なのであって、
「クソかよ」って冷笑して済ませるものじゃないのだろうけど、

全部ひっくるめて「クソだ」と言いたい。
「クソくだらねえ事で人生棒に振りやがって」
と、私があんたらの母親だったら髪ひっつかんで叫ぶよ。

他者への暴力も、自分を痛めつける事も、
百害あって一利なし…
でも連鎖を断ち切れないんだよね、辛いんだね、
でもそこに美学は無いよ、全部捨てろ。
それはクソだから。
って、
娯楽映画にも、現実を映した社会派映画にも、
感想としてだけでも書いておきたい。

映画は映画なのだけども。

ヤンイクチュン演じるサンフン。

その後に「大丈夫、愛だ」で演じたジェボム役は、
このサンフンの続きみたいな役でした。

とにかく悪い。悪くて悪い。
でも瞳がどこか綺麗で、脳内は哲学してて。
世が世なら学問や芸術の楽しみなども知って豊かに生きて欲しかった、どこか愛しい男。

サンフンが遂げられない事を、
ジェボムがアンサーになってあげている気がする。
キャスティングした人はきっとそう思ってるかな。

このクソバエの中、街のシーンで、
大きな広告モニターにスター チョインソンがチラリと映ったのは偶然か?🤭

#息もできない  #똥파리 #ヤンイクチュン
#韓国映画  #映画 #Movie #映画記録 #映画鑑賞

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