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【広辞苑でエッセイ】落髪

『落髪』
髪を剃り落として出家すること。落飾。剃髪。薙髪。(3054頁)


「上見ぬ鷲」という諺がある。他の鳥類と比べ大きい鷲は、警戒のために空を見上げる必要はない。そこから、何も恐れないさまのことをいう。しかし、自分より偉い鳥を見上げざるを得なかった1羽の鷲がいた。東北楽天ゴールデンイーグルスのオコエ瑠偉選手だ。

開幕前のキャンプにて、楽天の平石監督がオコエに髪を切るよう命じた。成績不振の彼が野球に集中できるように、ということらしい。彼はその後坊主頭でキャンプに現れた。

監督による指示が正しいか否かは外野が判断すべきことではない。しかし、彼を奮起させる方法は他にもあったように思えてならない。

プロ野球のシーズンが終わる。オコエの一軍での成績はというと、「打率.155、打点14、盗塁3(9月16日時点)」。坊主頭の効果はいかほどのものであったろうか。

「上見ぬ鷲」の類語に「上見ぬ鷹」がある。敵の軍団を見下ろすことが多い『福岡の鷹軍団』と、見上げることが多い『東北の鷲軍団』。その差はどこから出てくるのだろうか。

鷲が鷹と上空で覇権争いする日を、私は心待ちにしているのだが。

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2019年9月17日(火)

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