師崎

東京の大学生。文章の練習を始めました。 乱数作成のアプリ等を使い、広辞苑第7版からラン…

師崎

東京の大学生。文章の練習を始めました。 乱数作成のアプリ等を使い、広辞苑第7版からランダムに抽出した言葉を元に400字(原稿用紙1枚分)程度で書きます。 アイドル(SKE48)、特撮、漫画、サッカー、野球など趣味の話が多めかも。短い文章なので、是非読んでください!

最近の記事

【広辞苑でエッセイ】逆潮

『逆潮』 ①風の方向にさからって流れる潮。 ②船の進行と逆に流れる潮流。 「いつの時代も変わり者が世を変える。異端者を受け入れる器量が武将には必要である。」と、安土桃山時代の武将、織田信長は言った。「尾張の大うつけ」と呼ばれながらも、戦国武将として名を馳せた彼だからこその言葉だろう。 「異端者」には2種類あると思う。「自分独自の考えを持つ」異端者と、「異端者の真似事をしている」異端者だ。後者は異端者ではない。異端者になりたくて仕方のない、普通の人である。 確かに、世の中

    • 【広辞苑でエッセイ】黒白

      『黒白』 ①黒色と白色。明と暗。 ②よいこととわるいこと。是非。正邪。(1034頁) 『ウルトラマン』は「正義の味方」の象徴として扱われることが多い。地球を侵略しようとする怪獣を倒し、地球人たちを救うのが彼らの任務である。無力な我々地球人にとっては、これ以上助かる話はない。 ゲーム『パワプロクンポケット』に登場する黒野鉄斎の言葉に、次のようなものがある。 悪の反対は善、善の反対は悪じゃ。正義の反対は、別の「正義」あるいは「慈悲・寛容」なんじゃよ。正義とは、人の従わねばな

      • 【広辞苑でエッセイ】鑢

        『鑢』 棒状の鋼の面に小突起(目)を多数つけたもの。工作物の面を平らに削り、また角落しなどに用いる。平・角・目立・三角・笹葉・刀・丸・甲丸・両甲丸などの形状があり、目の形により単目・複目・三段目・わさび目に、目の大きさにより油目・細目・中目・大目・荒目・大荒目などに分かれる。(2950頁) 中学生の頃、木材を使って本棚を作ったことがあった。その際ヤスリ掛けを徹底的に行ったのだが、その時は「触ったらツルツルで気持ちいいから」ヤスリを掛けているものだと思っていた。色塗り、ニス塗

        • 【広辞苑でエッセイ】暖衣飽食

          『暖衣飽食』 暖かい衣服を着、腹いっぱい食べること。苦労のない生活をすること。(1841頁) 「幸せになれる人は、この世にたったの6%しかいない」と、ドラマ『女王の教室』で天海祐希が演じる阿久津真矢は教え子たちに言った。小学生たちに厳しい現実を教えるための発言であろう。さて、この発言をどう捉えれば良いものか。 Twitterで、「結婚できない人を0%に」という駅の広告の写真が載っていた。世間はまだ「結婚=幸せ」という価値観に囚われているらしい。「結婚『しない』人を0%に」

        【広辞苑でエッセイ】逆潮

          【広辞苑でエッセイ】表面

          『表面』 ①物の外面。おもて。 ②外から目につく所。外見。うわべ。(2499頁) 何でもいい。何かしらの出来事が起きたとする。私たちが例えばメディアから情報を受け取る際、その裏側にまで思考を巡らせることがどれくらいあるだろう。 先日、アポロ11号に関する話題をテレビで見た時、ふとそのようなことを思った。ニール・アームストロングとバズ・オルドリンが華々しく月面着陸をしたその裏では、マイケル・コリンズが司令船を1人で操縦していた。そこにまで目を向けないことには、「アポロの月面

          【広辞苑でエッセイ】表面

          【広辞苑でエッセイ】猩猩飲み

          『猩猩飲み』 猩猩のように多量の酒を一気に飲むこと。(1439頁) ラグビーW杯が盛り上がりを見せている。ラグビーの試合といえば、ビールが他の競技と比べ売れることはよく知られている話だ。今大会も例外ではなく、キリンビールは「ハイネケン」を9月中は3.4倍増産するそうである。嬉しい悲鳴とはこのことだろう。 一方で、試合後に酒を飲みすぎた外国人が電車内で暴れている動画も流出している。肯定的な意見もあるが、最低限のマナーも守れないのはいかがなものか。 外国ではどうなのかは知ら

          【広辞苑でエッセイ】猩猩飲み

          【広辞苑でエッセイ】工船

          『工船』 漁獲物をただちに擂り身・冷凍魚・魚粉などに加工する設備をそなえた船。(991頁) 小林多喜二の小説『蟹工船』では、従業員たちがこれでもかというほど船に詰められ、過酷な労働を強いられていた。初めて読んだのは中学生の頃であったが、衝撃を受けて内容が頭に入ってこなかった記憶がある。 先日、ポートメッセなごやにてSKE48と欅坂46の握手会が行われた。ポートメッセなごやに行くためには「あおなみ線」という路線を使うのだが、この車両が実に短い。本数もそれほど多くない。こうな

          【広辞苑でエッセイ】工船

          【広辞苑でエッセイ】返し矢

          『返し矢』 敵から射て来た矢で射返すこと。また、その矢。還矢。(499頁) 漫画『ドラゴンボール』において、孫悟空の兄ラディッツが地球にやってきたところに偶然居合わせた男性がいた。ライフルでラディッツを撃つが、銃弾をキャッチされ、さらにそれを弾き返されあっけなく殺されてしまった。「返し矢」ならぬ「返し弾」といったところだろうか。 プロ野球で巨人が優勝した。5年ぶりのことらしい。一方で、日本ハムファイターズのCS進出の可能性が完全に消滅した。2016年に日本シリーズで優勝し

          【広辞苑でエッセイ】返し矢

          【広辞苑でエッセイ】あり丘

          『あり丘』 そこにある山。一説に、荒いけわしい山。(102頁) 「世の中で『普通』とされていることを問い直す思考を身に付けたい」 私が今いる大学に入りたいと思った理由の1つに、これがある。明確な目的意識があったからこそ、私は高校時代受験勉強を頑張れた。そして、今も日々思考を止めずに生活できていると思う。 イギリスの登山家ジョージ・マロリーの”Because it’s there.”という言葉は、あまりにも有名だ。”Why did you want to climb Mo

          【広辞苑でエッセイ】あり丘

          【広辞苑でエッセイ】沸・錵

          『沸・錵』 日本刀の、刃と地肌との境目に銀砂をふりかけたように輝いている鉄の組織。匂とともに重要な見所で、地方や流派によって粒子の大きさが異なる。(2206頁) 日本刀は、「沸」と「匂」が混ざって刃文を構成している。鉄の組織の粒子が大きく荒いのが「沸」、細かいのが「匂」。「沸」が多いとよく斬れ、「匂」が多いと柔軟性があるらしい。 サッカーのストライカーには、「剛」と「柔」のタイプがいる。漫画『キャプテン翼』で言われていたことだ。「剛」とは日向小次郎のように、とにかくゴール

          【広辞苑でエッセイ】沸・錵

          【広辞苑でエッセイ】頭打ち

          『頭打ち』 相場が一定の限界に達して上がらなくなること。一般に、物事が限界に達して進展しないこと。(60頁) 国民的ゲーム『スーパーマリオブラザーズ』では、キノコを取るとマリオがスーパーマリオとなり、ブロックなどを壊せるようになる。地下のステージで天井となるブロックを壊して、その上を疾走した経験がある人も多いのではないだろうか。 セブンペイが9月30日をもってサービスを終了する。サービスを開始した次の日には、早速問題が起きた。まさかこれほど早くダメになるとは。バーコード決

          【広辞苑でエッセイ】頭打ち

          【広辞苑でエッセイ】白烏

          『白烏』 羽色の白い烏。すなわち、ありえないことのたとえ。(1491頁) 「私はカラスが白いと思うが、君はどう思う?」と上司に聞かれたら、どう答えるのが適当なのだろう。おそらく私なら「本当に白いカラスが存在するのであれば、是非一度見てみたいです」と答えると思う。これが世間的に正しい答えであるかは分からないが、ある物事を即座に肯定、または否定するのは違うのではないだろうか。 あるテレビ番組で、タレントが真っ白なジグソーパズルに挑戦しているところを見た。宇宙飛行士選抜試験の1

          【広辞苑でエッセイ】白烏

          【広辞苑でエッセイ】張り紙

          『張り紙・貼り紙』 ①糊ではりつけた紙。 ②紙に命令・注意・宣伝などの事項を記して衆人の目につくところに貼り掲げるもの。 ③注意または意見などを記して、書類などにはりつけておく紙。付箋。(2398頁) 赤い薔薇の花言葉は本数によって変わる。例えば12本なら「私と付き合って」、13本なら「永遠の友情」。意中の相手に送るのなら、1本違うだけで大問題だ。 駅のホームで「発車時刻とは、電車が完全に発車する時間です。ドアが閉まる時間ではありません。」という貼り紙を見かけた。ドアが閉

          【広辞苑でエッセイ】張り紙

          【広辞苑でエッセイ】落髪

          『落髪』 髪を剃り落として出家すること。落飾。剃髪。薙髪。(3054頁) 「上見ぬ鷲」という諺がある。他の鳥類と比べ大きい鷲は、警戒のために空を見上げる必要はない。そこから、何も恐れないさまのことをいう。しかし、自分より偉い鳥を見上げざるを得なかった1羽の鷲がいた。東北楽天ゴールデンイーグルスのオコエ瑠偉選手だ。 開幕前のキャンプにて、楽天の平石監督がオコエに髪を切るよう命じた。成績不振の彼が野球に集中できるように、ということらしい。彼はその後坊主頭でキャンプに現れた。

          【広辞苑でエッセイ】落髪

          【広辞苑でエッセイ】地縛り

          『地縛り』 ①キク科の多年草。路傍などに群生。茎は地上を這う。葉柄は長い。春から夏に、長い花茎上にタンポポよりやや小形の黄色の頭花をつける。イワニガナ。 ②メヒシバの別称。(1276頁) ジシバリのような人であると思う。阪神タイガースの能見篤史選手が、9月14日の中日戦で今季50試合目となる登板を果たした。40歳を超えてシーズン中50試合登板するのは、元中日の岩瀬仁紀選手以来2人目の快挙らしい。 開幕前、能見選手はオリックスから阪神に移籍した西勇輝選手に関して、テレビ番組で

          【広辞苑でエッセイ】地縛り

          【広辞苑でエッセイ】ドヴォルジャーク

          『ドヴォルジャーク』 チェコの作曲家。ドイツ-ロマン派の手法を学ぶとともに、ボヘミア・アメリカなどの民謡に素材を求め、民族的色彩が豊富。交響曲「新世界より」、歌劇「ルサルカ」、チェロ協奏曲など。(2044頁) 貴志祐介さんの小説『新世界より』では「業魔」と「悪鬼」という怪物を生み出さないために、子どもたちへの「教育」を徹底している。少しでも異常であると判断された子どもは大人によって排除され、町から姿を消す。これは客観的に見れば恐ろしいことだが、子どもたちはその恐ろしさに気づ

          【広辞苑でエッセイ】ドヴォルジャーク