阪口まな

【趣味】 森見登美彦関連の聖地巡礼

阪口まな

【趣味】 森見登美彦関連の聖地巡礼

マガジン

  • わたしの森見作品

    森見登美彦関連の投稿まとめ

最近の記事

わたしの有頂天家族

だいたい10年前のある夜、消し忘れたテレビから聞こえた言葉に涙した。翌日、久しぶりに文庫本を購入する。作者も作品も知らず、アニメを観る習慣もなく、思ってみれば長いことまともに本を読んでいなかった。 『有頂天家族』との出会いである。 とりあえず最終章を少しだけ確認した後に最初から読みはじめた。 本とはこんなに楽しいのか。 森見登美彦との出会いである。 そんなわけで森見作品の中でも私にとって『有頂天家族』は別格であり、どうにも文章が纏まらない。諦めます。書けるように

    • わたしの宵山万華鏡

      2022年9月9日にTwitterスペースにて開催された『偽読書会』で言いたかったことを文章にしました。 ⚠️ネタバレあり 【妄想の被害者あるいは参考文献】 湿った風、老若男女のざわめき声、聳え立つビルディング、夜を照らす屋台の明かり、赤くて艶々した丸い林檎飴、硬い感触に甘い匂い…宵山の一瞬を文章にしようとすると言葉を延々と紡ぐことになる。 このような言葉で現しきれない一瞬を《純粋経験》という。《直感》とも言い換えられる。 西田幾多郎の哲学はこの《直感》から世界や神

      • 映画『竜とそばかすの姫』考察 ~他者のまなざしという地獄~

        映画『竜とそばかすの姫』はまなざしの物語です。 ※個人の感想 ひとりの時、人間は自由です。 他者のまなざしは自由の危機であり、この自由の受難が人間の条件なのだとフランスの哲学者サルトルは言います。 『サルトルの知恵』という本をたまたま手に取ったことが、哲学とのファーストコンタクトでした。 『竜とそばかすの姫』にハマッたのも、サルトルの《まなざし》という思想を知ったからです。 劇場に通い、小説を読み、円盤を繰り返し再生しながら『竜とそばかすの姫』と《まなざし》について考え

        • わたしの四畳半TMBぐるぐる案内(未完)

          【はじめに】 M「TMB映画化記念に企画しませんか?」 阪「します」 M「即答で笑いました」 洛中からの声かけに東と西とで呼応したことで開始された『四畳半タイムマシンブルース』の映画化記念非公式企画。 Twitterにて#四畳半TMBぐるぐる案内 とタグをつくり森見作品の聖地巡礼って楽しいぜ!といった投稿を募った。 いっぱい投稿された。嬉しかった。 あとは我々が聖地巡礼MAPを作成して発表……点在しすぎている。 現代人でも無理なく楽しめる行程にしよう……つまらないな

        わたしの有頂天家族

        マガジン

        • わたしの森見作品
          7本

        記事

          わたしの夜行

          森見登美彦の『夜行』についての妄想です。 ⚠️ネタバレあり ⚠️未読の方は読まないでください 【はじめに】 2020年3月、たまたま読んだ本にいたく感化されて興奮した阿呆が暴挙に出た。 初めて主催した読書会にて、哲学とのファーストコンタクトから2週間、着想5日間の浅はかさで『夜行』を「実存主義」とした妄想を述べ、最終的には「〇〇〇〇派」なんてヘンテコな言葉まで飛び出した。 阿呆は大変楽しかった。心優しき仲間たちは最後まで辛抱強く聞いてくれたが、言葉と思考がまとまらず

          わたしの夜行

          イベントレポート「登美彦氏、『千一夜物語』に分け入る」

          2019年2月11日に開催された対談イベント 「登美彦氏、『千一夜物語』に分け入る」 国立民族学博物館にて、西尾哲夫先生に導かれてアラビアンナイトの世界に迷い混みました。 悪筆メモと記憶を頼りに記述したものをTwitterに連投したのですが、当時は隠していたものを加筆・修正を加えて記述しています。『熱帯』未読のかたはネタバレ満載なので読まないでください。個人の読書体験は人権の次に尊重されるものです。 ㊟ 簡略化した部分が多く、また実際の語調とは異なります。 質問「なぜ

          イベントレポート「登美彦氏、『千一夜物語』に分け入る」

          イベントレポート「森見登美彦氏、京都国立博物館で語る」

          2019年2月3日に開催された 森見登美彦氏と羽田聡氏との対談イベント 「森見登美彦氏、京都国立博物館で語る」 登美彦氏から目が離せなかったので手元を見ずに記した悪筆を通り越して暗号じみているメモ帳と格闘しながら記憶を頼りに解読したものを後日Twitterに連投しました。 当時のツイートに加えて、発売直後のため隠していた部分を追加記述しています。 ⚠️実際の語調とは異なります。 ⚠️誤っている部分もあるかもしれません。 羽田氏の「活字アレルギー」発言に食いぎみで「それ

          イベントレポート「森見登美彦氏、京都国立博物館で語る」

          わたしの熱帯

          はじめに 2018 年 12 月 24 日、私は twitter でええじゃないか騒動に興じていました。 さまざまな方と、小噺をつけてみたり、ええじゃないかの回数をふやしてみたり、飽きることなく楽しんでいました。 この狂乱の中でSさんを発見し、テンションの上がっていた私は思わず言ってしまったのです。 ええじゃないか (私の『熱帯』だけが本物なの) 翌日から、私はまとまらない思考を実に膨大な量の DMでSさんに送り付ました。 年末の忙しい時期になんと迷惑なことを…今

          わたしの熱帯