骸は濡れて

ガラス玉みたいな君の瞳を
えぐりだして飲みこんだ
冷たくなってく首筋を
冷たい両手で絞め続けた
終わらない
終わらない

吐き気がするくらいにうるさかった
蝉の声にみたされた帰り道
もう一度あの日からやり直せるかな
深夜2時の憂鬱を
目をつむってやり過ごそう

変わらない教室の
黒板に残る君の文字
柔らかな思い出を
柔らかな舌でころがした
なくならない
なくならない

息苦しいくらいにうるさかった
蝉の声にみたされた帰り道
神様だって投げ出した
暁闇をみたす憂鬱に
カラダを預けてまどろもう

終わらないんだ
なくならないんだ
私の目玉をあげたらいい?
私の舌をあげたらいい?
耳に鼻に指もあげるから
変わらないよ
変えられないよ

蝉の鳴かない帰り道
落としものはなくしたままで
見つからない
見つからない

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