ただ出勤しているだけ 夢日記2024.1.2

 遅刻しそうになって自宅から飛び出したところ。
 マンションの隣が、寺だった。寺や宗派の名前は、何だか難しい漢字で、読めなかった。門前を通り過ぎるとき、墓地から出てくるお坊さんの姿がちらと見えた。
 歩道の舗装が無くなり、道幅も狭くなっていく。突き当たりの左側に、小さな鳥居。その向こうは芝生の坂。
 鳥居の小ささといえば、這ってなるべく体を細くして、ようやく通れるか通れないかというくらい。遅刻しそうだというのに、こんな通りづらいルートだなんて。
 そもそも、通って良いのかどうか。などと踏ん切りが付かずにいると、鳥居の向こうから、くぐっちゃダメよ、と声が。
 鳥居のそばまで頭を下げていたので、声は上から聞こえた。やっぱり通っちゃダメな鳥居だったのか、と思いながら見上げると、祭りの法被を着た集団の先頭に、おばあさんが。少し怒っているような。
 こっち来なさい、と手招きされる。柵で仕切られて出られないと思っていた歩道だったが、1箇所外れているところがあった。
 知らなくてすいません、と頭を下げながら、芝生の方へ出た。
 法被の人たちは歩いていく。最後尾のおばあさんが、今日は準備で朝早くから寺の周りを掃除したんだと、苦労話を始めた。急いでいなければ、何の準備だったのか詳しく聞きたかったが、何しろ遅刻しそうなので、そうそうに話を切り上げた。
 芝生の坂を登る。しかし、遅刻しそうな夢でよくある、急いでいるのに体が速く動かない現象が。
 走れない。足が思うように進まないので、四つん這いになって手の力も借りる。やがて足がまったく上がらなくなったので、腕で体を引きずる。
 芝生の上にレジャーシートを広げている家族連れがたくさんいたが、なぜかみんな僕のそばに寄ってきた。何だか知らないが、応援してくれている。
 どうやら、自分では見えないが僕の顔にものすごい傷があって、しかも下半身不随で腕だけで坂を登っていて偉い、頑張れ、と、まるで24時間テレビのような、ハンディキャップを背負った人を応援する雰囲気になっているようだ。どこからか感動的なBGMまで流れてきた。大袈裟すぎやしないか。
 別に、愛で地球を救おうというのではなく、遅刻したくない一心で必死に、ただ出勤しているだけなのだが。

 朝起きたときの夢は忘れてしまったので、昼寝のときに見たこの夢を、初夢とする。

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