水面から 夢日記2023.9.21

 友人の家にみんなで集まっていた。
 夕食の後、面白いビデオがあると、わざわざ部屋の照明を暗くして上映会が始まった。
 友人が中学生の頃、プールで撮られたものだった。
 泳ぐ友人を追うビデオカメラ。中学といえば、ちょうど僕らが出会った頃だ。懐かしい笑顔ではしゃいでいる。
 友人がカメラに気を取られすぎて、人にぶつかってしまった。友人は謝ってからまた泳いで行くが、カメラはその場に留まる。
 ぶつかられた人は、当たった拍子に顔をカメラの方にして横向きになり、そのままの姿勢で動かなくなった。目を見開き、ビデオカメラのレンズを凝視したまま、浮かんでいる。
 その人の頭を誰かがぺちゃりと叩いた。ぶつかられた人の友だちなんだろう。からかうような感じだった。叩いた人はニヤけた顔も体もちゃんと見えたし、生きている人間なことは間違いない。
 叩いた人が泳ぎ去った後、立て続けに水面から何本も手が出てきて、ぶつかられた人の頭をぺたぺたと触っては消えていった。中には血まみれの手もあった。肘の辺りから先しか見えず、手の持ち主の本体は画面には出てこない。水に潜ったまま手だけ出しているのでもなさそうだ。
 場面が切り替わり、何事も無かったようにまた、友人がおちゃらけている様子がテレビに映る。が、もう何が映っても同じだ。さっきのアレが気になって気になって、それどころではない。

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