風呂に入っていた。
　湯船に浸かりながら『包み込んでくれるもの』とでも題するべき曲を、適当に歌う。お風呂やお布団など、全身を包み込んで温めてくれるものについて、思い付くままに。
　作曲は風呂ですることが多い。適当に歌ってみて、風呂上がりに覚えていたらボイスレコーダーに録っておいて、後から仕上げる。まあ、今日の曲は仕上げるほどのものではないだろう。
　それから、工具箱を風呂場に持ち込んだ。まるで船のように風呂に浮かべて、工具を使って何かを組み立て始めた。