デビュー戦、の夢(2022.7.19)

 女子プロレスの会場。僕はスタッフ。
 小学生ながら、本日プロレスラーデビューをする女の子がいる。デビュー戦のために作ったコスチュームは、慣れていないので着るのに時間がかかっていた。
 和風のコスチュームで、帯っぽい部品を留めるヒモを締めるのを手伝ってあげたのだが、ゆるすぎるきつすぎると何度もやり直させられて、なかなかぴったり来る締め具合にならない。もう試合開始が迫っているので、緩いよりは良かろうと、ぎゅっと締めて、もうこれで行けと送り出した。
 スタッフ業務のため、彼女のデビュー戦を直接は見られなかったが、大きな歓声が聞こえてきたので、会場を沸かせるような試合が出来ているようだ、と安心した。
 控え室に戻ってきた彼女は、負けて悔しいのと、でも手応えは感じたのと、諸々の感情が入り混じった表情をして、先輩やスタッフに感謝の言葉を述べていた。僕に対しての第一声は、帯取れちゃったじゃん、ちゃんと締めてよね、だった。

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