北アフリカ地域のどこからしい。
　得体の知れない生物が大量発生している。
　大根の頭の青い部分を切り落としたような形の胴体で、平らな切断面が上向き。根の方からは足が２本生えて直立している。手は無い。全身が真っ白で、身長は１５０センチほど。こんな謎の生き物が突然、大量に出現して、町中を歩き回っているのだ。
　顔が無いので口も無く、人が食べられたり、農畜産物の被害は出ていない。鳴きも喋りもしないから静かなものである。おとなしい性格なのか暴れることもなく、動きもゆっくり。怖い生き物ではないのだ。しかし、あまりに数が多いので邪魔くさい。
　触ると未知の病原菌に感染するとか、食べると難病が治るとか、いろいろと情報は飛び交っているが、正確なところは分からなかった。