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苫前町郷土資料館(三毛別の熊)

稚内からOSC2023北海道(札幌)へ向かう道の計画を立てている際、苫前付近の地図を眺めていたところ、ある施設が目に付きました。名称こそ「苫前町郷土資料館」と、どの地域にもありそうな町の資料館ですが・・・・

郷土資料館を知るきっかけ

そんなわけで、「一等三角点苫前岬」「苫前埼灯台」を目的地として苫前に立ち寄ると決めたとき、地図を眺めていて気になったのがこの施設でした。少し内容を見てみると、昔々の開拓時代に熊に襲われた悲惨な事件に関する展示があるとか。

三毛別羆事件とは

実は私は今回地図でこの場所を見つけるまで、三毛別のヒグマ事件についてまったく知りませんでした。開拓の時代などは北海道各地でクマに襲われることも多かったのだろうなという漠然とした感覚は持っていたのですが、その中でも特に大きな事件だったとのことです。
大正4年(1915年)の出来事。死者7名、負傷者3名。武四郎の調査から50年ちょっとが経って開拓が進んできたころの出来事です。

苫前町郷土資料館

クマがお出迎え。怖い顔してるけど、しっかり案内してくれる様子が可愛いんですけど。(私はまだ羆の恐ろしさを知らない)

入り口を入ると、今度は「渓谷の次郎」がお出迎え。入場料を払う場所はこの更に奥にあるんですが、この緩さが素敵。ともかく、いきなりの迫力に度肝を抜かれます。

奥に進むと、「幻の北海太郎」が。こちらは昭和55年に射止められた個体だそうです。とにかくでかい。こんなのが近くに居たらなすすべもないというのは分かる気がします。
隣に展示されている蝦夷鹿も、細い足ながら、背が高いです。車と当たっても、当たり方によっては車のほうが負けるというのも納得しました。

こちらは羆襲撃の再現展示。
いやこれもう、どうしたらいいの。・・・という言葉しか浮かびません。この状態で襲う気満々のクマと対峙したら、できることは殆どないのでしょうが、とにかく恐ろしすぎます。

2023年になっても OSO18騒ぎがあるなど(余談ですが、OSO18の名前の由来が足のサイズだったというのを知って「OSO 1 から順にナンバリングしてたんじゃないのかよ!!」とツッコんだのは私だけじゃないはず)、羆と人間の関係のバランス取りの模索は、今の時代にも続いています。

郷土資料館ですから

三毛別羆事件の展示のインパクトが強すぎて忘れがちですが、郷土資料館ですから、ヒグマだけというわけじゃありません。
古くから人々の営みがあったことが、出土品や資料などで紹介されています。

展示で紹介されていた「擦文時代」という時代区分も、寡聞にして初耳でした。本州では平安時代にあたるそうです。


こんな感じののどかな道の前にあります。今回は「ちょっとクマも見ておくか」という程度の軽い気持ちで立ち寄ったのですが、羆・小熊・蝦夷ジカ・アザラシなどの動物たちとの戦いだけでなく、苫前町の歴史(町になるずっと前からの歴史)の展示もなにげに充実していて、もう少しじっくりと見たかったと思っているところです。

今日の夕方までに、他に何カ所か寄り道をして札幌までたどり着く必要があったので駆け足での訪問となりましたが、それでも、10分くらいさっと眺めれば良いやと思っていたのに対して、30分近く滞在していました。面白かったし、ためになりました。近くに行く機会があれば、ぜひお勧めします。


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