[検索メモ]室内用芳香剤と特許
こんにちは! 特許調査の仕事をしてます、酒井と申します。
今日は「ファブリーズ玄関用を起点に特許を調べてみたこと」について書きます。
室内用 消臭芳香剤の「ファブリーズ玄関用」
数ヶ月前、初めて使って「なかなか優秀!」と思い、リピート購入するようになりました。
そんな中、ちょっとだけ気になっている事がありまして・・・
過去に利用していた消臭芳香剤は
・使用開始する時、一旦開封してフィルムを剥がすとか
・同じく密封用の栓を除去するとか
使い始めには、何かしらの「開封」が必要でした。
ところがこちら「ファブリーズ玄関用」
パッケージの裏側に、使用開始時に押し込むボタンはあるものの・・・
フィルムを剥がすとか栓を開けるとか、の作業はありません。
また
押し込んだ際にも「フィルムが破れた手ごたえ」的なものは
特に感じなかったように記憶しています
あまりにも不思議だったので・・・
バリッとな!
使い終わった際に分解してみたのですが・・・
「手ごたえはなかったけどな」と思っていた通り、芳香剤のパック(画像下のオレンジ色)には、特に傷などもついていないようでした。
どんな機構で使用開始されて
なぜ傷(開口部)などがないのに、香り成分が放散されるんだろう?
ということで
特許を探してみました!
J-PlatPatではこちらの条件で出てきます
「ほぼ製品そのもの」の図面が使われている特許出願も
何件かありました。
側面分解図!(図4)点線で囲んだのが 芳香剤の入ってる部分です
単なるパッケージではなくて、何やら秘密がありそうですよね
・・・ということで
特許の通りだとすると
「芳香剤パックの内部で、破裂可能な基材52が破れると
膜53を通じて 成分の放散が始まる」
という構造になっているようです。
そして今回、もうひとつ興味深く感じた事があります。
一連の「ファブリーズ玄関用」関連特許の発明者についてです。
発明者の主要メンバーはイタリア在住
そして・・・P&Gの所属でもなさそうなんです
特許から得られた情報だと、
玄関用ファブリーズの発明者たちは ZOBELE グループに在籍しているもよう
P&Gが社外の発明者と共同開発、といえば
コネクト+デベロップ が思い浮かびます。
オープンイノベーションに力を入れている有名な事例です。
P&Gのウェブサイト 「コネクト + デベロップ」 では、同社が探索している開発テーマを公開し、アイデアを募集しています。
玄関用ファブリーズが 「コネクト + デベロップ」から生まれたのかどうか?はわかりませんが
社外からの技術提案で玄関用ファブリーズが生まれて、日本でも売られているのかも、と想像すると、なかなか夢がありますよね!
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