どうしても忘れられない味がある。 20代の前半、私はワーキングホリデーで4ヶ月ほどカナダのイエローナイフという街に滞在していた。 イエローナイフという都市はカナダの北の方にあり、とにかく寒いし何もない街だ。 冬になると−40度まで気温が下がり、髭や鼻毛が凍りつく。 おちおち外出もできない。 ひどい時は空気が冷たすぎて呼吸をするだけで肺が痛くなるので、 友達と外に買い物に行っても2人とも黙々と歩く。 30分もあればダウンタウンを一周できるくらい小さい町で、 娯楽施設と
心がガサツになることなのかもしれない。 20代前半の時は「生きるとは」みたいなことを ふとした時に考えることが多かった 自分の今の仕事、 生き方は本当に合っているのか。 正しい方向に歩いているのか。 正解のない問いに心を消費していた。 自分は他人とは違う人生を歩むと 無力で何も結果を残していないのに高潔ぶっていた。 でも、今ならわかる。 普通の人生を送ることの難しさと偉大さを。 昔の私なら「普通って何ですか」と 突っかかっていただろう。 いつの間にか昔みたいに
いつからだろう 好きなことが煩わしくなったのは 自分がもっとも大切にしてるものと関わるのが億劫になった。 私にとって写真を撮ることは、世界に触れることだ。 ファイダー越しに世界を見ると、普段は面白味のない世界に色が付き、私は少し自由になれた。 気づいたら夢中になってどんどん手が動いていたあの頃に戻りたい。 私は持っていた一眼レフを売りに出した。 生活の足しにするために、 写真から距離を置くために かさ蓋になったはずの傷が突然開き、悲しい過去の記憶の蓋が開く。
何を隠そう、私はゴリゴリのリトルトゥースだ。 「え、リトルトゥースってなんですか?」と 聞き返されると、いちいち説明をしなければいけないので、堂々と公言はできていない。 ここでの説明も割愛する。 「ラジオが好きでよく聞きますよ〜」とゴニョゴニョ誤魔化す。 それでも最近はリトルトゥースという 単語が通じることが増えた。 今ではオードリーオールナイトニッポンというと、超人気番組、ニッポン放送の看板という イメージが広まったような気がする。 私が聞き始めた8年前は、そも
私が初めてnoteに出会ったのは2年前の2022年 前々から文章を書きたいと思っていたこともあり、誰でも書いた文章をブログ感覚で投稿できると聞いて興味を持った。 さあ文章を書くぞ、と思い意気揚々とスマホからアプリを開いたが書きたい文章が思い浮かばない。 自分の文章を書きたいという気持ちはその程度のものだったと気付き、大きく失望した。 それから2年経った。 まだ文章は一行も書かれていない。 時間だけが前に進んだ。 何を書けばいいかわからず、noteは人の記事を読むだけの読