海が見たかった日

なんとなく海を見たくなる時っていうのが、一般的な成人男性なら数か月に1度程度来るのではなかろうか。

仕事を辞めて早くも3か月が経とうとしている。
昼間は自宅の間際で息絶えていたゴキブリを、デッドライジングさながらの武器制作能力にて作成したブツ(ちりとりとほうきの柄をガムテープで組み合わせた得物)にて捕らえ、
平日の昼間っから俺は何をしているのだろうかという衝動と戦いつつ、Tverでテレビ千鳥を見る。
そんな昼下がりを過ごしていた。

無の時間を過ごしていると、突如自分が何者かわからないというか、
または、何者にもなれていないことに対する焦燥感にかられてしまうことがある。

「海でも見たいな、あと読書をしつつ、ラジオを聞いて、インスタに上げる写真でも撮ろう」
最後に思いっきり俗っぽいことを思いつきながら、海を目指す。
時刻は18:00を過ぎるころ。

そもそも、自分自身がアウトドア系でもなんでもないので、海に行くことはないし、効率よく浜辺へ行くルートもわからないので、
なんとなく海がありそうな方角に車を走らせることにした。
余談だが、唯一持っているアウトドアグッズであるアウトドア用の椅子を持っていくことを忘れていた。
このnoteを書いているときにそのことを思い出しているので後の祭りも後の祭り、後夜祭どころかもはや別の祭りである。

結論、本来1時間少々で着くはずのところを2時間ほどかけて海沿いに到着。
なんせアウトドア系ではないもので、浜辺が全く近づいてくれなかった。

20:00の海がこんなに暗いとは知らなかった。
同じくインドア系のメンタルを持ちながらサーフィンを趣味としている友人が遅い時間に海に行ったりしていたことを聞いていたので、
こんなに暗いとは思わなかった。
あと、海に行くまでの山道は狭いし暗いし怖い。
仕方ないので海は車窓からちらりと眺めた。

車のスピードよりも波のスピードの方がゆっくりに感じる。
絶え間なく続く潮の流れを置き去りにしているような感覚を覚え、
窓から入り込む潮の香りが、海と夏を感じさせた。

いや、これは嘘だ。
海は暗すぎでよく見えなかったし、潮の流れなんか分かるわけがないし、
車の窓も開けてなければ、開けていたとしても視覚と嗅覚の二感でしか感じ取ってなかったと思う。

せめて魚が食べたいと思い、お店を探してみた。
帰る道中で見つけたお店で、フィレオフィッシュを食べた。

俗っぽく考えていたインスタの写真については、日中ゴキブリを撃退した武器を載せた。

今日は残念ながら海が見れなかったけど、今度また海にでもいこう。
そして食べよう、ワイルドに、
ビッグマックを

冷蔵庫は大きいほうがいいでしょう