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レストランをコンセプトする!

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新しい店。新しい料理。 新しいコンセプトに新しい業態をやさしく、ときに厳しく考える。
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2019年4月の記事一覧

なんでこんな店を教えたんだ…、と叱られた店からできる勉強

路地の王様、とんかつ王ろじとてもユニークなとんかつの店が新宿にある。 新宿三丁目。伊勢丹の地下。かつて伊勢丹が水曜定休だったことから水曜定休。その伊勢丹は基本年中無休になったけど今でもこの店は水曜定休。かつての伊勢丹のリズムで営業しているお店。 生業店です。 ご夫婦二人が若い人たちと一緒に切り盛り。 体格のよいご主人はボクと同い年ぐらいじゃないのかなぁ…、随分白髪が増えました。 そういうボクも歳をとった…。 創業大正10年といいますから間もなく100年。 カツレツではない「

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餃子を売るのにラーメン店を作る訳

餃子直売所の跡地にできたラーメン店 わが町四谷三丁目に博多ラーメンの店が先日開業した。 駅から一番近い路地。 一番近いのに一番短く、表通りにはたくさん人が歩いているのにみんな素通り。飲食店も数軒しか無いパッとしない場所。 特徴ががいくつかあります。 一日150食限定のラーメンであるということ。 チャーシューやネギ、海苔などのトッピングがいくつか用意されてはいるけどほぼラーメンだけというメニュー構成。 それ以外は餃子があるだけ。 しかもラーメンをたのむと餃子がもれなく3個サ

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おじさんの財布とルノアール

喫茶室ルノアールの実態 先日、東洋経済オンラインに「喫茶室ルノアール」に関する記事が掲載されていました。 冒頭部分はこんな具合です。 サラリーマンがタバコを吸いながら、長時間休憩や商談で利用する喫茶店。都心の駅前などに店舗を構える「喫茶室ルノアール」に対して、このようなイメージを持つ人は多いだろう。だがその印象から脱皮しようと、運営会社の銀座ルノアールが新たな施策を打ち出している。 最近、こういう論調をよく見ます。 タバコ。 サラリーマン。 代わり映えしない喫茶店。 ど

「酩酊より覚醒の時代」の飲食店

スターバックスの一部の店で、「NITRO」コーヒーがうられはじめて人気のようです。水出しコーヒーに窒素をくわえて飲むアイスコーヒー。 それ専用のサーバーがカウンターに設置されたお店に行くと、「もう、お飲みになりましたか?」なんて聞かれてニッコリします。 サーバーの前でニコニコしながらコーヒー入れるスタッフは、果たして何のプロなんだろう…、コーヒーのプロじゃなくてたのしい時間をお客様と一緒になって作り出すプロ。…、なのかもしれないって思ったりもする。スターバックスという不思議。

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肉の焼き比べを焼肉でなくステーキでする

安っぽくない安い店

「安く売る」けど「安売りしない」とんかつの店曙橋という都営地下鉄の駅の近く「とんかつ山さき」というお店があります。 小さい駅前商店街に面した一階。 パッとしないロケーションです。 和食の店や居酒屋ができては潰れてを繰り返した場所。この店になってすでに2年がたって、ずっと繁盛できている。 間口は広くて入り口の左側にテイクアウト専用の売り場がある。 ショーケースに並べられた揚げ物をそのまま買って帰ることもでき、ちょっと待つけど揚げたての料理を弁当にしてもらって買うこともできる使

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おひとりさまが寂しくない店

「ひとり客」と「おひとり様」「おひとりさま」という言葉。 使われ始めたのはいつころのコトだったでしょう。 飲食店にとって、一人のお客様を大切にすることで今までなかった市場を作ろう。新たなお客様、新たにニーズをとっていこうという気持ちが作った「おひとりさま」という言葉、概念、コンセプト。 昔、一人で来る客ばかりを対応していたら儲けにならない。 だって「食べにくるだけ」「飲みにくるだけ」。 サービスを必要とするわけでなく、ただただ味と値段につられて来る客だから、追いかけてもしょう

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焼肉屋さんがしゃぶしゃぶを再構築すると…。

しゃぶしゃぶ食べ放題の付加価値って何?

しゃぶしゃぶと寿司?寿司としゃぶしゃぶ?六本木に「八山」という和食の店があります。 雛鮨という食べ放題の寿司店を経営している会社の運営。 もともと寿司屋としゃぶしゃぶがメインの日本料理の店に分かれてた。 長細い構造の店で、表通りから入るとしゃぶしゃぶ。裏通りから入ると寿司屋。それぞれの店が食べ放題を個別にやっていたのだけれど、そのうちしゃぶしゃぶの店で寿司の出前がとれないか…、って要望が出るようになり、ならばお店をひとつにすればいいじゃないかと今の形になったのですネ。 結果、

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野菜を食べる、リンガーハット

有楽町にできた女性向けを目指す京都王将の新業態。 ギョウザオウショウのおとぼけぶりにびっくりし、果たして今、女性が抵抗なく利用できるラーメン店のようなお店ってどこにあるだろう…、と考えてみる。 それで思い浮かんだのがリンガーハット。 やってきてみた。 最近の都心にあるリンガーハットは券売機かレセプションでの先払い。お店の作りも明るくちょっとカフェめいている。 例えば新宿の歌舞伎町のシネコンビルの一階にある店は明るく、コーヒーなんかを売っても様になりそうな店。 女性客がとても

女流王将と女装王将、今のまんまじゃ女装です…。

女性を狙う飲食店 女性は今の日本において消費者の王様と言われます。 うん? 女性だから王様じゃなくて女王様! 小売、通販、TV番組に映画とみんな女性に好かれることに一生懸命になる。 確かに女性は消費に対して前向きです。 しかも情報にも敏感で、新しい店、新しい料理を積極的に探してたのしもうとする。 男性は「いつもどおり」をたのしむ消費をしてしまいがちだから、新しいお店は女性を相手にするほうが成功しやすいんじゃないかと思って当然。 あるいは男性向けの店をやってる人たちは、女性に来

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魚久銀座のイートイン、あじみせ

失敗から学ぶ(1) 魁の失敗

やきとり魁が閉店しました…。 成功から学ぶことも大切。 コンセプトを探す人たちは一生懸命、人気の店の人気の理由をさぐろうとする。 けれど失敗から学べることもたくさんあって、例えば先日、サカキノホトンブに記事を書いた「やきとり魁」。セルフサービス先払いという新しい取り組みがオモシロイなぁ…、と思ったのだけど開業して一ヶ月もたたないうちに閉店しました。 理由を考えてみようと思う。 やきとり魁とはどんな店だったのかまずどんな店だったのかを理解していただくために日記の内容を転載しま

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喫茶店は終わってしまうのか、どうなのか…。

喫茶店は絶滅危惧種競争厳しい飲食業界にあって、喫茶店は絶滅危惧種と言われています。 小規模の生業店が多い実態。 経営している人たちの多くの部分が高齢者。 コーヒーが飲める場所は次々できる。 セルフサービススタイルのコーヒー専門店を目指す若い人は多くも、喫茶店をやろうと思う人は少なく、おそらく今の経営者たちがいなくなったら潰れてしまう。 それが現実。 喫茶店は社交場でした。 特に商店街の商店主が朝の仕事を終えてひととき。新聞を片手にお店にやってきて、同じ商店街の人たちと世間

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