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サクラとハチノス

今年の桜は2020年の桜に似てる。
あの年は3月初旬まであたたかく早い開花になるって言われてた。なのにそれから天候不順で、通常のお花見時期にはまだ蕾だけだった。
お花見した日は寒かったなぁ…、ブルブル震えて花見の〆にいつも行ってたそば屋を訪ねたらコロナ休業していて代わりに「長春館」でお肉を焼いた。

それがタナカくんと食べた最後の焼肉だった。
今日は3月にして今年最初の夏日の陽気。新宿御苑はすごい人出で、園の外まで人が溢れるにぎやかさ。
昼は長春館で焼肉にした。

ハラミとカルビの盛り合わせ。

サラダに白菜と細切り大根のキムチにお肉が弁当箱に収まって、わかめスープとご飯が一緒にやってくる。

それからハチノス。
タナカくんが焼肉の中で一番好きだったのがこれ。それをハーフサイズで追加して、小さなサイズの冷麺で今日のお昼のひと揃え。

炭で焼きます。

昔は分厚い鉄板網が乗せられてたけど今は使い捨ての網になっちゃった。
ハチノスを焼くと網に貼り付いてヒックリ返そうとすると一緒に網も持ち上がったりするのがちょっと残念。
箸で網をおさえつつトングで剥がしてひっくり返しこんがり焼きます。
縮こまっていたハチノスがゆっくり膨らみ花を咲かすようにして焼けていく。

焦げ目の付いた細かな凸凹に辛子味噌をのせるようにして食べるのが好きだった。
辛いものがあまり得意じゃなかったのに、ここの辛子味噌だけはいつもたっぷり使ってた。
ハラミもカルビも脂よりも肉そのものの味や風味を味わう趣向。甘み控えめですっきりとした味わいのタレも好みでご飯がすすむ。
ご飯の上に乗せて食べればご飯がおいしく育っていくのもたのしい。

お供の冷麺がまたおいしい。
東京中の冷麺の中でボクはここのが一番好きかも。
具材たっぷり。蒸した鶏の胸肉をむしったものに酢漬けのキュウリ、白菜、キャベツのキムチにネギ、パイナップル、ミニトマト。麺より具材が多くて冷たい野菜スープを食べてみたいな感じさえする。

なによりスープがおいしいんです。
どっしりとした牛骨スープ。そこにトンチミ、水キムチの汁をくわえて酸味をつけてる。
お酢を入れなくても十分味がととのっている。

焼いたお肉をスープに浸し麺でくるんで食べるのがおいしくってネ…、肉の脂や焦げたタレの風味がスープを一層おいしくしてくれる。
思い出の味でお腹も心も満ちました。


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