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コンセプトを拝借して厚化粧する牛かつ屋

すべてがはじまった元祖牛かつ「おか田」という店

牛かつなる食べ物が、世の表舞台に出てきて4年ほどもたつでしょうか。
「おか田」という牛かつ専門店がもう何十年も人気を集め、知る人ぞ知る店として有名だった。
厚切りの牛肉にパン粉をぎっしり貼り付けて油であげる。
揚げ時間はたった30秒。
それをザクザク細切りにして、千切りキャベツを添わせて提供。お供はご飯と味噌汁だけというとてもシンプルな商売で、伝わりやすい。

あたらしい商品を商売の仕方を探していた人たちにとって、なんとも魅力的な店でした。
とんかつと違ってレアで大丈夫だから調理時間が短くてすむ。
料理として比較的新しく、専門店は新橋のおか田ぐらい。
つまり競合店が少なかったということがチェーン店にとってはうれしい環境。

しかも、ビフカツでもなくとんかつでもない牛かつはチェーンストアが自由に値段をつけることができる分野で、みんな真似した。
結果、次々、チェーンができた。
なんでこんなところにまで…、って思うような場所にまで店ができ始めていて、おそらく東京なんかではもう飽和寸前という状態でしょう。

その活発で貪欲な牛かつ業界を代表するブランドといえば「牛かつもと村」。
彼らも他の牛かつチェーンのご多分に漏れず「おか田」の牛かつを拝借した。
拝借した上、ゴテゴテと化粧をほどこし、化粧が過ぎて素顔もわからぬ厚化粧になっちゃった。
つまり、元祖のおか田とまるで違ったビジネスモデルになったわけです。
でも、だからこそ彼らはチェーンストアに慣れたわけで、ひとつその化粧法を勉強してみようと思う。

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