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善意を信じる社会

渋谷のスクランブル交差点を歩いていたら交差点のど真ん中で足がすくんで動けなくなってしまった人がいた。
欧米系の観光客です。
どうしようもなくなったのでしょう、「I’m scared」って言うのを聞いた、おそらく彼女の友だちが手をひきやっとの思いで交差点を渡っていった。

冷静になってみれば確かに怖い交差点です。
だって四方八方から一斉に人が飛び出してきてそれぞれの行きたい方向に向かっていくのです。
向かってくる人とぶつかるかもしれない。
後ろから来た人がぶつかってくるかもしれない。
そう思ったら体が動かなくなってしまうのが当然なのに、みんな何事もないかのように歩き、すれ違い、なんの問題も起こさず交差点を渡っていく。
不思議です。

その不思議がこの交差点を世界で一番有名な交差点にしたのでしょう。
その不思議を世界中から体験しにくる。
それがますますカオスを作り、なのにそのカオスは破綻することなくなんの問題も起こさず定時間で収束するの繰り返し。

この交差点は日本の社会そのものじゃないかと思うのです。
あるいは、日本人が社会に対して思っていることが具現化している象徴的な場所。

社会は善意に満ちている。

あるいは、社会は善意に満ちているはずであるという思いとそれに向けて一人ひとりが無意識に行動できる精神性。
それが日本じゃないかと思う。
ステキです。


スクランブル交差点における善意

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