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マグロの胡麻だれ、豚汁にガリ昆布

どうにもこうにも「マグロの漬け」を食べたくって銀座の「岩戸」にやってくる。

銀座一丁目にある日本料理のお店のランチ。タナカくんと作った料理別ランキングで豚汁の部ナンバー1がここだった。
ランチの名物。「まぐろ胡麻だれ重」がオキニイリ。
しかも豚汁がたまげるほどにおいしくて、「まぐろ胡麻だれ重の豚汁付き」の一択。

前回来たときはしらすご飯や天ぷらなんかもあったのだけど、マグロ、豚汁だけの献立になっていた。それでもにぎやか。人は続々やってくる。
お店に入ってすぐのレジで、注文をしてお金を払う。代わりにプラスティックのカラーチップを食券代わりに渡される。
まぐろ胡麻だれ重の豚汁付きは黒いチップで、それ握りしめ席につく。
開店時間のちょっと前に来たのだけれど、すでに行列。
でも3人、4人、2人組のお客さまたち。一人客はボク1人にて、カウンターの角のボクの好きなところに座れるシアワセ。目の前、目の高さにある店にお膳がズラリと並ぶ。

できた料理がのせられて1つ、そしてまたひとつ。注文した順に料理が運ばれていき、次のお膳がこちらに向かって迫りすすんでやってくる。
じっと見てるとどんどんお腹が空いてくる、おいしい光景。
オキニイリ。
さて、10膳目にしてボクの料理が完成。「お待たせしました」とやってくる。

四角いお重のご飯の上にびっしりマグロの赤身の漬けにすりごま。切り海苔パラリといううつくしさ。
小さな丼ほどもある大きなお椀にドサッと豚汁。
胡麻だれ重と豚汁以外にお膳の上にあるものは「がり昆布」だけというシンプルさ。

お茶の入ったポットがドンッと置かれて注ぐのはセルフサービス。余計な気遣いをせぬ潔さが心地よい。

胡麻だれ重にはマグロがたっぷり。
だからこれひとつで「ご飯と刺身」ふた品分。
豚汁の中は具材どっさりで「汁と小鉢」が一緒になったような仕上がり。
器ふたつで4つの料理…、という感覚。

まずは豚汁。
おいしい香りの湯気がふわりと鼻をくすぐり、手から伝わる熱さにほっこり。
豚汁の名に恥じぬ分量の豚肉に、大根、里芋、玉ねぎ、ニンジン、こんにゃくにネギと野菜がどっさり。
玉ねぎシャキシャキ、大根やわらか。
野菜それぞれがおいしい状態に炊き分けられて、大根なんてかなり大ぶり。

汁たっぷりの野菜の煮物…、って感じがうれしい。味噌の風味に出汁のうま味。どっしりとした濃厚味で、生姜がたっぷり使われていて、食べてるうちにどんどん体があったまる。

胡麻だれ重もしみじみおいしい。
ほどよき厚さに削ぎ切ったマグロの赤身。ちょっと甘めの醤油ダレにつけられほどよく水気が抜けて、ねっとりしたなめらかさ。舌にピトッと張り付く感じが肉感的なるおゴチソウ。
それがご飯の上に敷き詰められてご飯にタレが染み込んでいる。
マグロとご飯を一緒に食べる。口の中での存在感、ひんやりとしたマグロに熱いご飯が混じることで、マグロの香りや酸味、うま味が目覚ましおいしくなっていく。

ねっとりとろけるところあり、ザクッと歯切れる場所もありと食べるところでマグロの食感が変わる。

添えられているガリをのっけて食べるとご飯がシャリのようにふるまい、赤身のにぎりを食べてるような感じがするのもオモシロイ。
豚汁も胡麻だれ重もどちら主役の見事な一膳。満足しました…、オキニイリ。


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