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シニアインフルエンサーの時代

テレ朝news「つながれる場所に“高齢者×SNS”『シニアインフルエンサー』世代越えて人気に」を見て。

つながれる場所に“高齢者×SNS”『シニアインフルエンサー』世代越えて人気に(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

高齢者とSNSは一見遠そうで実は近い。高齢者はスマホが苦手、パソコン用語を知らない。確かにそう。でも私の周りでは二分している感覚がある。いちばん遠いと感じるのはガラケーからなかなかスマホに変えられなかったグループ。確かにガラケー時代には電話とメールのみで月々3,000円以内の利用料で済んだ。けどスマホに変えると一気に6,000円から8,000円くらいに増えてしまう。今は携帯企業の通信枠を借りた格安スマホというのがあってそれだと3,000円以内で済むそうだ。でもそっちはいざという時に回線が混雑して使いづらそうな気がするし、私はiPadとスマホと両方使いたいので8,000~10,000円くらいの料金設定のコースを選んでいる。若い人に聞くともっと安くて便利なコース有りますよって言われそうだけどこんなに便利に使えるなら10,000円を上限に趣味の教材費として家計計上しても良いのではと考えている。

私は渋ラジに通うようになってTwitterを始めた。Twitterを開くと開始時期は2017年2月だった。スマホの前はガラケー、すぎもとの「す」を打ちたい時には「さ」を3回押していた。その頃はYahoo!のトップ画面がニュースではなくお薦め掲示板だった時代で私たちはその掲示板の中で「この3回を1回にするにはどうしたらいいんだろう」みたいな話をどこの誰かもわからない人と会話していた。「さ・し・す・せ・そ」は上下左右で4個の文字に対応できるけどあと1個はどうする? みたいな。
スマホの時代になったらキーをポンと押すと「さ」、左「し」、上「す」、右「せ」、下「そ」と時計回りに5段活用できるようになっていた。時計回りというのも右利きの人には馴染みやすい。文字を書く時に私たちは左から右へと筆を動かす。考えた人は私たちが違和感なく長時間使えるよう、その自然な動きをキーの操作に上手く利用しているんだと思う。
スマホ用語というのもあり、文字に触れることを「タップ」、同じ文字を数回打って文字を出す方法を「トグル入力」、4方向に花びらのように指で広げる方法を「フリック入力」と呼ぶそうだ。私はいつもフリック入力を使っている。

私の家族は昔からITに強い。夫も子供たちもその界隈のお仕事で生活している(いた)。だから私は昔からそっち方面は人頼りの暮らし方だった。古すぎて記憶が定かでは無いけどWindows95以前から我が家にはPCがあった。画面全体が緑色で文字が白抜きで浮かんでくる。エラーメッセージもコマンドも全部英語で私はまったく理解できなかった。夫はそれを会社に登録して家に持ち帰っていた。当時は1台数百万の世界だったらしい。自宅での通信量も今と違い昔の電話回線と同様「〇秒(もしくは〇分)〇〇円」という金額設定だった。長時間使うととんでもなく高くなる。私には高価なおもちゃでしか無いからあまり使う機会はなかった。
その後一般家庭でもPCが買えるようになってきて1995年頃には今渋ラジで音声編集に使っている「Audacity(オーダシティ)」や今は一般的になっている「Photoshop(フォトショップ)」というソフトがうちのPCにも入った。小学生の子供たちは反応が早く私だけが使わないまま日が経っていた。思うに、今やっとスマホに乗り換えたグループは当時の私のような感覚だろう。別に使わなくても暮らしに支障はない。困りもしないし特別それを使って楽しみたいとも思わない、という気持ちだ。
その後ニンテンドーのマリオペイントというゲームソフトが流行り出した時にこれって子供版のフォトショだ!って思った。マリオペイントで遊びだした子供たちは今30代40代になっていて当時の遊び心や興味や達成感が時を経てそれぞれの仕事に生かされているんだろうと思う。
私は絵が苦手なのでいまだに生かされては無いのだけど。どちらかと言えば芸術的なソフトよりパズルゲームに一生懸命だった気がする。

テレビでポケモンが始まったのが子供たちが10才(小学校高学年)頃で子供がのめり込むから私も一緒になってゲームソフトを使っていた。だから私たちの世代は子供を通してそういったハードやソフトに近い暮らしをしていたんだと思う。もう少し上の世代、75才以上の世代グループは当時お子さんも20才くらいでお仕事を始める世代に入る。ゲームだソフトだと言っても親と共有するわけではなく友人たちと楽しむ世代だろうから親世代はゲーム機や通信機器にあまり触れずに暮らすことになってしまう。身近になるのはその後どんな機会が訪れるかなんだろう。ここら辺に世代のラインが引かれていそうだ。
私の周りの75才近辺、もしくはそれ以上のグループはスマホを使って電話、メール、そして最近やっとLINEで周りと繋がり始めた感じだ。それも自分でというよりは子供や仲間から誘われ、隣でスマホの操作を教えてもらいながら相互フォローの操作をしてもらうというお膳立てが必要。私も最初はそうだった。そこからどこまで自分で積極的に使いこなせるか、もう後は意欲というか気持ちでしかない。階段を1段ずつ上っていくような進み方になる。

70代後半だと本当に振り幅が大きい。電話、メール、LINEが1セットで後は子供任せ、子供が入れてくれて使い方も教えてくれたアプリのみ使っているというグループ。そんな人たちはお子さんが気を利かせて歩数計アプリとか入っているパターンが多い。今日は〇〇歩だった! と確認するのが楽しみになっている。あとは写真を撮ってLINEで誰かに送るという楽しみ方。これができるだけでずいぶん暮らしは華やぐ。
検索機能を使いこなせるグループはシニアの中ではかなり上級だ。私もスマホではめったに検索はしない。スマホ検索は苦手だ。家ではPCを使うし外にも ipad を持って行くからそちらの方が見やすい。2画面にもなって便利というものある。スマホは文字が小さいし広げると移動(スクロール)させないと全体が読めない。故に2台持ち運ぶことになる。もしかしたらこうすれば便利なのに皆が思うことを悲しくも知らずに不便なまま使っている可能性もある。親指と人差し指で広げると文字が大きくなることだって使い始めてずいぶん後で知ったんだから。

私は姉兄や従姉たちとLINEのグループを作っている。ご近所グループ、昔の職場の人たち、マンションの人たち、離れて暮らす友人たちなど人数で言うと連絡先はかなり多いが上の年代に行くほどやりとりは減っていく。日常というよりはいざという時の特別な連絡ルートという存在だ。LINEは無料電話が使えるから入っている人も多い。そういうのには敏感な世代でもある。
今回のニュースに出てくる方々は私より1世代上の人たちなのに私よりマメに写真や動画をアップしているところが凄い。機械はどれも最初は難しく説明書とにらめっこになってしまう。それを読み込んで解らない所を調べて使いこなそうとする意識の持ち方。何を撮るか目標を定めぶれずに記録に残していく継続性。それをSNSで発信し反響を自分なりに背負っていこうという意気込み。こうして取材まで受けてTVのニュースになってネットの記事になっていく。粛々と積み重ねていく姿が素晴らしいと思うしその背中を見て私もできる範囲で真似して繋いでいこうと思う。
シニアに突入した60代世代から拍手を贈りたい。👏👏👏

子供たちへのプレゼントにもなるんだよなぁ。私の祖父母世代はセピア色の写真しか残ってなくて、親世代も写真がカラーになっただけ。でも今の私たち世代はSNSがあって写真だけでなく動画も音声も残る。今は居て当たり前の親もいつか居なくなる時があって、生前に残したSNSがとても貴重な贈り物と化す。今の時点では世の中への発信でも、きっと先の時代には子供や孫への大切な贈り物になっていくことをみんな思っていてほしい。
今は電話しか使えない人もLINEを使えるようになって、近くにある花や空の景色を写真にして誰かに送れるようになったら毎日の暮らしが色濃くなるし、送るお相手が居ないと思う人はSNSの不特定多数を相手にひとつの物を送り続ける方法もある。そうしたら返事が少しずつ増えてきて更に自分も頑張ろうと励みにもなる。SNSの問題点が取り沙汰されている時代だけど、そんな温かなSNSの使い方を学ぶことができた記事でもあった。

昔の私は悪い例で誰かしてくれる人が居るとできないことをそのままにして誰かに頼っていた。聞いてもやはり直ぐにはできなくて結果やってもらうことになる。独りで暮らすようになって必要な時に誰も居ないから調べて何でも解決しないといけなくなって、いつしか検索が私のいちばんの頼り処になった。調べ方も徐々に手馴れてきて、調べていくと少しずつ自分の身になって人に聞いて解決していた時よりも格段知識が増えた。何より自己解決できるので相手から返事が戻るのを待たなくていい。それに人任せの解決はその時限りで頭から消えて次回の役には立ってくれない。ならば調べ方のコツを自分なりに得とくする方がいい。人は時間とともに忘れてしまうから忘れたら何度でも解決方法を探している。探しながらこれ前も同じことしたと思い出し、探した結果の答えも浮かぶ。それでもまた忘れてしまうんだけど、何度か繰り返すと多少は身についてくれる。
今は自分より上の世代にスマホの使い方を教える場所を作れないかと考えている。私自身は人に教えられるほどの達人ではないけど教えてくれる人を捜したり自分たちで知っていることを教えあったりすることはできないだろうか。春だし暖かくなってきたし、コロナも2類から5類に移行しマスクとの付き合い方も変わるだろう。4月だし、このほんわかした季節に誰かの役に立つことを自分も少し考えてみようと思う。

渋谷のラジオでは「渋谷いきいき倶楽部」というシニアの生活情報番組が放送されている。曜日ごとにパーソナリティとテーマが決まっていてスマホがテーマになるのは水曜日だ。
「だれでもスマートフォン講座」が13:00~13:30 (再放送は16:30~17:00)に放送されている。note では初回からのアーカイブをおさらいすることができるので興味があれば聞くと少し初めての人も、熟練者は更に、今よりスマホが近い存在になると思う。でも聴くのと操るのは別物で、聴いていると解った気になってもいざ手元で操作するとどこかで躓き前に進まなくなる。そんな時の為に誰かスマホの話ができる人を捜しておくのがいい。番組を聴いて、近くの人と話して、みんなで一緒にスマホに触れる機会を増やしていければと思う。

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渋谷いきいき倶楽部[渋谷区]|「渋谷のラジオ」|note
・月曜「趣味の世界」
・火曜「渋谷のシニアの履歴書」
・水曜「だれでもスマートフォン講座」
・木曜「カラダとココロの健康」
・金曜日「渋谷講談」の日

4月11日追記
note は書いていても人に評価してもらえるような物にはなってないし読み手が多いわけでもない。今はまだ私にとってネット上の記録本のようなものだ。でも世の中に私の上の世代でSNSに挑戦している人たちが居ることは頼もしい。それを受け入れてくれる若い世代が居ることもありがたい。だから私も自分なりにその日に感じた事をたまにだけど書き続けていきたい。周りの人たちにもスマホアプリのダウンロードをして自宅で居ても社会と繋がっていられる実感を一緒に広めていきたい。

この頁の写真はnoteのフリー素材 ysgenfuさんからお借りしました 🙇



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