すっかり秋の風情となり、比叡山の麓の坂本にいると四季のうつろいの美しさに、今更ながら感動の毎日を過ごしております。

日本人は有史以来、四季がうつろい変化する自然の風情を目にする度に、四季と同様に繰り返し感動を重ね、その感動を創造の糧としてきました。

日本では、春と秋が特に美しく暮らしやすいので、誰もが一度は猛暑や厳冬の辛さから逃れたくなり、常春や常秋の国を願ったことがあるはずです。

しかし、春の喜びや感動は、冬の寒さに耐えたからこそ味わえるもの、また、秋の風情に詩情や美を感じるのは、夏の猛暑に耐えたからこそ感じること、私達の私情に関係なく四季は完璧な調和で構成され、繰り返されているのです。

日本人は八百万の神が宿る自然の大きなうつろいの中に身を置くことで、自然との一体感を感じ、人の心は生かされている喜びを感じてきました。

その喜びと感謝の気持ちが自然崇拝に繋がり、様々な創造物を生み出す思想の源となりました。

日本人の芸術の源が自然のうつろいです。

「うつろい」を絵にする
成願義夫オリジナル襖紙
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成願義夫