大相撲九月場所12 貴景勝ー北勝富士
十二日目。先の読めない優勝争い、本日も興味深い動きがあった。
ますます熱気を帯びてくる終盤戦。
その中でも敢えて、ネガティブな文脈で話題となったこの一番。
貴景勝ー北勝富士。
内容については言及するまでもないだろう。
立ち合いで貴景勝の変化。
「そりゃないぜ貴景勝」
「変化は食うほうが悪い。だけど大関なんだから…」
「武士道精神www」
ちょっと待ってほしい。
多くを語らない貴景勝に変わって憶測まみれの代弁をする。
ポイント1 首の状態
私は相当に悪いと見ている。
本場所中も気にするそぶりを見せていたし、場所も後半。
元来のダメージに加え、本場所での重なった負荷もあろう。
ポイント2 星勘定
貴景勝は勝ち越しのかかった一番。
首の状態が思わしくなく、すでにギリギリの状態だとしたら。
大関の地位を確実に守りつつ、休場できるタイミングを図っていたのではないか。
ポイント3 対戦相手
今場所好調の北勝富士である。
連敗中であるとはいえ、立ち合いに頭と頭でぶつかるのは、やはりリスクが高い相手だ。力士生命を賭けてまで真っ向勝負をすべき一番だったか。
ポイント4 他の横綱・大関
仮に貴景勝の首が壊れてしまった場合。
これは、横綱・大関不在がかなり現実味を帯びてくる。異常事態である。
この相撲界全体が置かれている危機に、大関として長く生き残ることで貢献できると考えているのだとしたら…。
ポイント5 本場所千秋楽
もし貴景勝が休場した場合。千秋楽結びの一番が正代ー御嶽海という、何とも締まりのないものとなってしまう。先ほどの論とは矛盾してしまうが、そこを危惧して、千秋楽まで取り続けるために今は無理ができないと判断したのだとしたら。
今一度、冷静に考えてほしい。貴景勝が、横綱不在の今、そして、他の大関が散々な今、どれだけたくさんのものを抱えているか。体が万全だったとしても、かなりの荷だ。
私は貴景勝の判断を尊重する。
解説もこの一番、瞬間的な視点からだけでなく、もっと広い視野からこの一番を見れることを視聴者に伝えてほしい。
逆風が強いので、あえて大袈裟に言おう。
貴景勝はこの一番で大相撲を守ったのだ(多分)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?