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遠い日の思い出

何もかもかなぐり捨てて逃げ出して
その先の街、
懐いた歳下ぼうや

故郷ふるさとで失くした恋の上書きに
夢中になって走る小田急

イヤホンの小さな穴から日々聴いた
「世界の終わり」
は、彼の十八番おはこ

童貞の熱は高くて幸せで
多摩センターは夢の国だった

凍死したベタと同じほど鮮やかな
記憶の再生スイッチ、訃報が押した

ありがとう
あなたの歌はこれからも
懐かしい日々きらきらさせる

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