見出し画像

『食育の今』選択給食利用率81.7%の驚き。視察が殺到する鎌倉市の中学校給食。

選択給食の利用率81.7%の鎌倉市。

名古屋市50%

東京都町田市13.2%

各都市、努力を重ねても利用率がなかなか上がらない現状。

そんな中での鎌倉市の利用率は脅威的。

その裏には、充分に準備に時間を掛けて、丁寧な説明を重ねて来た努力の結晶があった。

人口17万の街、鎌倉市。

平成22年から給食の導入の検討が開始され、給食についてのアンケート調査が始まった。

平成24年に市長からの指示で庁内検討委員会が立ち上がった。

平成25年には、二期目の市長のマニフェストにも中学校給食を実施すると書かれ、市の計画にも載った。

アンケートの結果として中学校2年の保護者の給食導入の希望が50%を越えていた。

中学校給食の実施方式は大きく分けて上記の4つがある。

良く市議の先生方が、給食センターを作れと声高に叫んでいる自治体がある。

しかし、給食センター設置には、莫大な予算が必要だ。

人口17万の鎌倉市でも、22億。

ちなみに同じ神奈川県の川崎では、平成29年に建設と運営を民間企業に任せる民間委託方式で、給食センターを設置した。

しかし、その総額、なんと、344億。

これを、15年ローンで返していく。

川崎市の人口は150万人。

鎌倉市は、費用対効果を考えて民間調理場方式を選択。

業者が作った給食かお弁当を、各家庭が選択する。


つまり、選択給食を実施することに、決めた。

そして、平成27年に民間事業者を選定。

横浜市に本社がある業者が、鎌倉市に工場を設置した。

その工場建設に2年掛かった。

鎌倉市は、その間に保護者、教師に少しづつ情報をこまめに、提供して、説明を丁寧にして行った。

動画も作られている。

中学校給食の導入を、いきなり始めようとする
自治体がある。

こういった自治体は、大体失敗する。

鎌倉市のように、しっかりとした準備と、保護者、教師に対する丁寧な説明が必要だ。

最初の出だしで失敗すると、アウト。

悪い噂が広まり、生徒達が注文して、教室で食べることを、嫌がる。

もうこうなると、負の連鎖で、利用率は上がらない。

鎌倉市は、1業者、1工場で給食を作っている。

この給食のために、工場を設置したので、最新の施設、そして、最新の設備。

担当者によると、後発に給食を実施したので、他の自治体のいいとこ取りが出来たと胸を張る。

神奈川県の中学校の給食実施率は、26%。

全国は、90%を超えるが、神奈川県が低いのは、神奈川県民がおっしゃるに、『家庭からのお弁当が、文化』だからだと。

神奈川県でも、やっと、各自治体で、検討、導入が進んで来た。

まだ、導入していない自治体は、市長の公約に掲げて、推し進めていくようになって来た。

ここでも、時代の流れを感じる。

鎌倉市の美味しさの秘訣は、『だしからの手作り。』

美味しいと言われている、京都もだしのこだわっている。

そして、名古屋市は、味噌へのこだわり。

美味しいと言われている自治体には、工夫、そして、こだわりがある。

試食会に参加した保護者のアンケート結果。

結果も、好評だ。

鎌倉市は、温かい汁物が出る。

これも、鎌倉市の特徴。

汁物が出る横浜市のハマ弁は、給食では無い。

学校給食法に則っていないので、ハマ弁という独自方式。

鎌倉市は、学校給食法に則っているので、給食だ。

献立もカラフル。

写真も確かに美味しそう。

全体の満足度も高い。

視察も殺到しているが、秦野市の担当者を直接取材した時、『鎌倉市を視察して、試食したが、美味しかった。利用率が高いことが頷ける。』とコメントしていた。

値段は、280円(牛乳無し)。牛乳付きで、330円

全国的な平均額。

生徒達の成長を考えて、牛乳も飲んでくださいとオススメしている。

そして、鎌倉市は、在校時一括予約を行っている。

これを一度行ってしまえば、毎回の申し込みの手間がいらない。

この制度の利用率が、70%

市民に、この給食制度が、浸透しているからこその高い申し込み率。

入学当初から、この給食を食べる環境が生まれる。

周りが利用しているから、私もという展開になる。

『だからこその選択給食利用率脅威の81.7%』

全国の中学校給食の取材を進めているが、鎌倉市の取り組みは、全国の見本となる。

給食センターや自校方式が、決して当たり前ではない。

『選択給食の街、鎌倉。』誕生。

最後になりましたが、この取材にご協力頂いた鎌倉市教育総務部学務課大久保様に、感謝申しあげます。

最後まで読んで頂きありがとうございます。今、気になるネタをどんどん紹介、そして斬り込んで行きます。『本当に知りたいことにフォーカス。』より的確な取材活動のために、もしよろしければ、サポートをお願いいたします。どうぞ、よろしくお願いいたします。