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Sake Diploma 学習ノート

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2023年度のSake Diploma受験勉強のため、二次試験の論述対策の学習ノートを投稿します。 編集方針は以下3点です。 1. 先人たちの回答を最大限に活用する。 2. 最… もっと読む
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#01 山廃・生酛の現状と将来の展望について

今回の問題山廃・生酛の現状と将来の展望について述べよ。(2017年) 自分の回答200字回答 山廃・生酛は、醸造用乳酸を添加せずに乳酸菌を増殖させる伝統的な醸造方法である。1910年に速醸酛が開発されたことで、手間のかかる生酛や山廃は少数派になり、現状のシェアは速醸90%、山廃9%、生酛1%である。しかし、豊かで複雑みのある香味を求めて、生酛系酒母に取り組む蔵が目立ってきている。和食だけでなく、中華や洋食との相性も良いため、幅広いペアリングの対象として好まれる可能性がある

2023年SakeDiploma 二次試験対策 総まとめ

個人的予想問題#16 五百万石について述べよ 「美山錦」「村米制度(山田錦)」が既出 #19 花酵母について述べよ 花酵母研究会の活動が活発 #59 雫搾りについて述べよ なんかちょうどいい粒感。ありそう #32 山形県について述べよ 2022BYの全国新酒鑑評会の金賞受賞数日本一。逆に福島県かも #43 熱燗の今後の展望について述べよ 最近の流行り。日本酒ならではの楽しみ方 #13 熟成古酒について述べよ 海外輸出も増えてる。今後の日本酒市場の要 #14 スパー

#66 冷酒について

今回の問題冷酒について述べよ。 自分の回答200字回答 日本酒を常温より冷やした状態を冷酒という。冷酒にすると、感覚的な甘味度合いが下がり、リンゴ酸などの酸味をよりフレッシュに感じる。大吟醸酒や吟醸酒、生酒タイプは冷酒で味わうのが良い。一方で氷温に近づくとアルコールの粘着性が高まり、芳香性が希薄になるため、冷やし過ぎは禁物。吟醸酒タイプでは8-12℃、生酒タイプでは6-8℃を目安とする。(167字) 回答の要素 冷酒について 常温(15℃)より冷やした状態。 冷酒は感

#65 地理的表示制度について

今回の問題地理的表示制度について述べよ。 自分の回答200字回答 地理的表示制度とは、酒類や農産品において、確立した品質や評価が地理的な産地の影響を大きく受けている場合、その産地名や地域ブランドを独占的に名乗ることができる制度である。「GI制度」とも表記する。ヨーロッパのワイン法を起源としており、地理的表示に指定されると、商品の原料・製法や品質基準が明確になり、一定の品質を満たした商品のブランド品質が担保される。海外での模造品の取締りを求めることもできる。(197字)

#64 酒粕焼酎について

今回の問題酒粕焼酎について述べよ。 自分の回答200字回答 酒粕焼酎とは、清酒の酒粕を主原料とした焼酎である。酒粕に含まれる麹の酵素と酵母の力で再度酒粕を発酵させて蒸留する。主に粕取りと粕醪取りの2種類の造り方がある。粕取りは伝統的な造り方で、酒粕の香りに加え、干し草や香ばしい甘い香りなど、複雑な香味となる。一方の粕醪取りは、より穏やかな味わいで、吟醸粕を用いて減圧蒸留すると吟醸酒のような華やかな香りとなる。(176字) 回答の要素 概要 清酒の酒粕を主原料とした焼酎

#63 焼酎の差し酛について

今回の問題焼酎の差し酛について述べよ。 自分の回答200字回答 差し酛とは、純粋培養酵母の代わりに、十分増殖している別の一次醪の酵母の一部を使用することである。最初の醪数本は純粋培養酵母で仕込むが、それ以降は差し酛を行うことが多い。差し酛によって、野生酵母の混入のリスクは増えるが、有益で個性的な蔵付酵母が入ることで発酵が順調となり、アルコール収得率も向上する。差し酛の回数は、数回程度から数十回程度とさまざまである。差し酛を行わない焼酎蔵もある。(192字) 回答の要素

#61 赤米酒について

今回の問題赤米酒について述べよ。 自分の回答200字回答 赤米酒とは、古代米のうち、玄米の外観が赤褐色の米を日本酒の原料米の一部に用いて造った酒である。赤米には、赤ワインと同じアントシアニン色素を持つ紫黒米と、タンニン系色素を持つ赤米がある。果皮・種皮の部分に赤い色素が局在している。果皮・種皮由来のポリフェノールの渋味があるため、甘口に仕上げているものが多い。(152字) 回答の要素 赤米酒について 古代米のうち、玄米の外観が赤褐色の米を日本酒の原料米の一部に用いて造

#60 無ろ過について

今回の問題無ろ過について述べよ。 自分の回答200字回答 無ろ過とは、滓引き後のろ過を行っていないことである。酒税法上の明確な定義はなく、「一切のろ過をしないこと」から、「不要な固形物を取り除く粗いフィルターだけは行う」「活性炭ろ過はしない」など、製造者によって使われ方が異なる。近年は無ろ過の酒が人気で、ろ過を軽めに抑えて色が残る酒も増えた。無ろ過の酒は、搾ったままの爽やかさや旨味の濃さが魅力。(170字) 回答の要素 無ろ過について 酒税法上の明確な定義はなく、一切

#59 雫搾りについて

今回の問題雫搾りについて述べよ。 自分の回答200字回答 雫搾りとは、上槽の方法の一つで、「袋吊り」とも呼ばれる。鑑評会の出品酒など、高級酒の上槽方法の主流となっている。醪を入れた酒袋を小さなタンクに吊るし、醪の自重のみで自然落下した酒を得るため、通常の上槽よりもきれいな味わいとなる。18L容量の斗瓶に順次取り分け、それらの斗瓶の中で最も優れたものを鑑評会出品酒とする。(157字) 回答の要素 雫搾りについて 上槽の方法の一つ。袋吊りとも呼ばれる。 鑑評会の出品酒など

#58 酒造用水について

今回の問題酒造用水について述べよ。 自分の回答200字回答 酒造用水とは、日本酒造りに使用される水の総称で、醸造時の仕込みや浸漬などに使用される醸造用水と、瓶の洗浄や割り水などに使用される瓶詰用水に分類される。通常の水道水以上の厳しい基準が要求される。カリウムやマグネシウムなどは、麹菌や酵母の増殖を助長するため、有効成分とされている。一方で、鉄・マンガンなどは、酒に悪影響を及ぼすとされるため、厳しく制限されている。(179字) 回答の要素 概要 日本酒造りに使用される

#57 総ハゼと突きハゼの違いについて

今回の問題総ハゼと突きハゼの違いについて述べよ。 自分の回答200字回答 総ハゼとは、米粒の表面全体が麹菌に覆われている状態であり、主に普通酒に使用される。一方で、突きハゼは豆大福のように、米粒の表面の一部に豆様に麹菌の塊が見える状態であり、主に吟醸酒に使用される。総ハゼだと菌糸の量が多く、リノール酸等が増えるため、酢酸イソアミルを主体とする吟醸香を生み出しにくい。突きハゼを作るには種麹の量を少なくし、蒸米の水分をやや乾燥気味にする。(182字) 回答の要素 総ハゼに

#56 八反系の酒米について

今回の問題八反系の酒米について述べよ。 自分の回答200字回答 八反系の酒米は、広島県を代表する酒米群であり、現在は「八反」と「八反錦1号」が産地品種銘柄に指定されている。八反系のルーツは「八反草」で、一時は姿を消したものの、近年復活栽培を行っている酒蔵がある。八反錦1号は、八反の収量性の低さを改善した品種で、大粒で心白発現率が高い。(136字) 回答の要素 概要 広島県を代表する酒米群。 現在は「八反」と「八反錦1号」が産地品種銘柄。 八反系のルーツは「八反草」。一

#55 単式蒸留焼酎と連続式蒸留焼酎の違いについて

今回の問題単式蒸留焼酎と連続式蒸留焼酎の違いについて述べよ。 自分の回答200字回答 単式蒸留焼酎は、単式蒸留器で蒸留される一般的な焼酎で、米・麦・甘藷などを原料にして製造される。一方、連続式蒸留焼酎は、連続式蒸留機で蒸留されたもののうち、アルコール分が36度未満の焼酎を指し、廃糖蜜由来の粗留アルコールなどを蒸留して製造される。梅酒やチューハイ・サワーのベースとして使用されることが多く、一般にホワイトリカーとも呼ばれる。単式蒸留と連続式蒸留の焼酎をブレンドした甲乙混和焼酎

#54 焼酎の黒麹菌と白麹菌について

今回の問題焼酎の黒麹菌と白麹菌について述べよ。 自分の回答200字回答 泡盛以外の焼酎では、伝統的に清酒用の黄麹菌が使われていたため、高温多湿な地域では腐造が多かった。1910年に、河内源一郎などが黒麹菌のクエン酸生産に着目し、甘藷焼酎に黒麹菌の使用を普及させた。その結果、腐造が減り、甘藷焼酎の品質が上がった。また1918年には、河内源一郎が黒麹から黒い色素を作らない変異株を分離し、製麹室などが黒くならない白麹菌として広まって、現在の主流となった。(190字) 回答の要