#03 酒は純米|上原浩『純米酒 匠の技と伝統』
"酒は純米、燗ならなお良し。"
上原先生のあまりにも有名なこの言葉。そもそも日本に「純米」なんて言葉はなかった。純米酒以外の酒なんて存在していなかった。それが、戦争をきっかけにアルコールやその他の化学物質を添加するようになって、真に「米だけの酒」が姿を消した。戦後の米不足が落ち着いても、やがて米が余るようになって減反政策が行われても、利益率優先のアルコール添加酒は造られ続けた。
昭和60年ごろからやっと「純米酒」が注目され始め、今では純米酒・純米吟醸酒は清酒製造量の約2割