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「太陽の塔」内部公開を見てきたよ

昨日、「太陽の塔」に行ってきました!
「太陽の塔」は岡本太郎が1970年の万博の際に建てた塔で、50年建った今でも大阪万博公園にどーん、と鎮座している建造物。
関西人にとっては知らない人はいないほど有名で、そのアバンギャルドな風貌と相反するように、緑豊かな公園でレジャーを楽しむファミリーの平和の象徴のようになっています。

内部公開が始まったのは2018年なんですけど、完全予約制で中々予約が取れなかったため、ずーっと行きそびれてました。
最近はコロナの影響で年配の方が行かなくなってるからかな?ようやく予約が取れるようになりました。

https://taiyounotou-expo70.jp/reserve/#intro

日程変更やキャンセルができないのがやや不便ですけど、120日前からWEB予約可能なので、まだ行ってない人は是非!


入館予約は30分単位で設定されていて、私は予約時間の10分前に行きましたが、すぐに入れてもらえました。1回の人数も多くないので、ゆったりと見れます。

内部に入ると、まずは「地底の太陽」ゾーンに案内されます。

ここでは万博当時、太陽の塔の前段に位置していた地下展示を紹介しています。当時は「いのち」「ひと」「いのり」のテーマに別れ、大規模な展示がされていたのですが、現在は太陽のモニュメントの背景に当時の映像を流しているようなコーナーになります。

万博当時の地下展示「人」:太陽塔オフィシャルサイトより

地底の太陽の周りには、岡本太郎が集めたと言われる世界の仮面や神像などが飾られていて、神秘的な雰囲気を醸し出しています。

そこを抜けると、「生命の樹」のコーナーへ。

塔内は真っ赤なヒダのような飾りで壁面が覆われており、なんだか人体の中に入ったような、不思議な感覚になります。
塔の真ん中には、カラフルな一本の大きな木がそびえ立っていて、アメーバからクロマニョン人まで、下から上へ生命の進化を辿る特徴的な生き物が木に張り付いています。

この景色は圧巻ですよ・・・!

最近はインスタなどで”映える”と紹介されていて、行ってみたらイマイチというスポットも多いと思いますが、これはその逆かな。
写真ではこの世界観を表現することは難しい。

万博時はこの木の横にエスカレーターが設置され、それを見ながら上へ上っていくような構造だったようですが、今は木の周りに螺旋階段が設けられていて、それを上っていく形です。

一番上まで来ると、ちょうど太陽の塔の”翼”の高さになります。
万博ではこの翼部分を通って”大屋根”に出ることができたとか。あ~登ってみたかった。

”大屋根”部分の空中展示:太陽の塔オフィシャルサイトより


当時の万博のテーマは「人類の進化と調和」だったそうですが、岡本太郎はこのテーマにアンチを唱えた。
技術の進歩や人類の進化は人間同士や自然との調和には繋がっていない。
そんな皮肉をこのモニュメントに込めた、とも言われています。

そのテーマは「人類の進歩と調和」。もっぱら技術文明の進歩を示すだけではなく、その進歩が、同時に自然や人間性を損なうなど、様々なひずみにも目を向けて、この問題をどう解決し、「調和」のある「進歩」をどう実現していくのかを考えていく博覧会としました。
「大阪万博について」:太陽の塔オフィシャルサイトより

このテーマは今、まさしく我々が真剣に向かい合っていかなければいけない課題ですよね。30年前に提唱されていながら、誰も真摯に向き合ってこなかった。いや、いろんな活動をされていた方はいらっしゃるかもしれませんが、世の中がより便利で、豊かな方へ流されてしまった。

階段を登りながら、地球の進化の歴史の中で、人類誕生以降の世界がいかに短いものなのかを再確認しました。

太陽の塔の正面の顔は現在、てっぺんの顔は未来、後ろの黒い顔は過去を表しているそうです。
「現在の顔」があんな表情をしているのは、私たちに「もっと考えろよ」と怒っているのかもしれませんね。

アートの感じ方は人それぞれ!
思い思いにこの世界を楽しみましょう。

お土産


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