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モノクロinTOKYO④~とにかく徘徊せよ~

こんなに交通網が発達している地に住んでいるというのに、移動は専ら徒歩か自転車。特別な目的が無ければ、池袋・新宿・中野近辺を常にぐるぐる回っているだけで、未だスカイツリーに登った事が無ければ、ミッドタウンにも行った事が無く、麻布十番なんて何が面白いのか全く分からない、田舎モンである。


東京の面白いところは、ある日突然建物が解体され、次に来た時には、既に新たな建物が建っている…という、非常に新陳代謝の激しいところだ。
偶然発見した自分好みの寂れた風景なんて、その時に撮っておかねば、次また再び撮れるとは限らない。

トマソン物件発見!


池袋サンシャインと廃墟


今になって思うのは、自分が上京した年には、同潤会アパートをはじめとする歴史的建造物がまだ解体されずに残っていたというのに、何故その姿をこの目で見ようとしなかったのか、という事だ。

当時の自分の興味の範疇では無かった、というわけではない。むしろ、興味はあったはずだ。
上京間もない頃、今は無き九段下ビルの前を偶然通りかかった際、当時何の予備知識も無かったが、その朽ちた雰囲気にたちどころに魅了され、こっそりと侵入した際の下手っぴな写真が今でも残っている。(その後、2012年に解体)
元来自分は、廃墟および廃墟っぽいもの、朽ちそうなものが好きなのである。




そういえば、今年の冬。神田に所用があった際に、昔撮った飲み屋街はどうなっているのかちょっと寄ってみたところ、数年前に再開発で消え去っていた事がわかった。

神田駅近くの今川小路 2007年頃


こうして考えてみると、普段の毒にも薬にもならない徘徊撮影が、「街の記録」という意味では少しは役立っているのかもしれない。
もし将来的に、首都圏直下地震なんかで東京が壊滅した際は、皆で過去の写真を持ち寄ってバーチャルTOKYOを作れば面白いと思う。
個人の記録なんて、ほんの断片的なものに過ぎないのだから。











ILFORD DELTA 3200 / Carl Zeiss PlanarT*50㎜1.4 / CONTAX 167MT
自家現像

AGFA APX400 / Konica HEXER HEXERLENS 35mm F2.0
店舗現像

BERGGER Pancro 400 / PENTAX MZ-3 / SMC FA Limited 43㎜
自家現像

AristaEDU ULTRA200 / Konica HEXER HEXERLENS 35mm F2.0
自家現像



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