映画感想 SOMM


ソムリエの最高資格「マスター・ソムリエ」を目指す若者たちを追ったドキュメンタリー映画。
マスター・ソムリエは、合格率が3-8% 、現在まで世界で274人しか合格していないという超難関試験(うち日本人は一人だけ)。ソムリエ、ワインエキスパート試験合格者数は日本だけで6万人もいますので(そのうちの一人が僕)、その難しさが想像できよう、というものですね。

完全にドキュメンタリータッチの映画なのですが、試験の概要は明確に示されず、試験の仕組みは映画を全部見ても今一つわかりません。出演者は全員しろーと(本職のマスター・ソムリエや志願者)であり「いかに試験が難しいか、それにチャレンジする姿」を描く映画なだけに、もう少しきちんと説明されていてもよかったような気がします。

昨年ワインエキスパートの試験勉強をしたばかり(そして今でも毎日ブラインドテイスティングのトレーニングをしている)の身にとってはとても興味深い内容でしたが、「ドキュメンタリー映画」としての完成度はそれほど高いとは思えませんでした。
何より興味深かったのは、「ソムリエ中のソムリエ」を目指す「最高レベルのソムリエ」であっても、ブラインドテイスティングでは、まあなんていうか、全然当たらない、ということかな。あーわかるー、と思えるし、何やら自信もつくのでした。

いろいろなワイン知識も出てきますが、ワインエキスパートの試験にも出てくるレベルの問題も多く、その沿線上(のずーと深い知識)を身に着ける必要があるのだなー、とわかります。

この映画を見て「俺もマスター・ソムリエを目指してやろう」とは少しも思いませんでしたが、「よーし、もっとブラインドのトレーニングをやってやろう」とは思ったのでした。

見てよかった。

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