ゼロからの進撃 1,000,000回への挑戦

ゼロからの進撃 1,000,000回への挑戦
 
Youtubeのお勧めにたまたま出てきた動画を見てぶっ飛びました。
何年も定期的にアップされている動画の「まとめ」みたいなものだったのですが、
「進撃のY、と名乗る一人の端正な顔をした青年が、ひたすら壁に向かってサッカーボールをけり続けけり続け、100万回けり続けたらプロになれるか」
という途方もないお話し。
僕が見たのはおよそ10万回くらいのまでのまとめだったのですが、まだ目標の10分の1のその時点で、主人公の技術、パワーは、すさまじいまでに向上を見せていました。
 
それ以外にも、とにかく走って走って「努力だけでどこまで足が速くなるのかの実験」や、なんとなんと「もし初心者がギターを10000時間練習したら」という、サッカーとは全く何の関係もない挑戦まで(すんごいうまくなっている)。
Yはその後オーストラリアでセミプロチームと契約を結び、「サッカーで給料をもらう」という当初の目標を達成したそうです。
 
僕自身は、もちろんYのような常軌を逸した継続など思いもつかない俗物ですが、どちらかというとコツコツと習慣づけて上達していく、ということが好きで、勉強やギターやテニス等、子供のころから今現在まで、どういうやり方を採用することによってそれなりに「やりたいこと」のスキルを上げてきていたので、このあまりにも「先の先」を行っているYに俄然興味がわいてきて、本書「ゼロからの進撃」をポチっとしてしまったのでした。
 
本書は「Y」こと著者矢部幸太朗さんが「なぜサッカー選手を目指したのか」というところからセミプロ契約を結ぶまでのお話しに加え、その間の動機や思考回路、実際のトレーニング戦略、そして具体的なサッカーのテクニック論、にまで触れられています。とはいえ、内容は読みやすく簡潔で、たぶん2時間弱くらいで完読したと思います。
 
「若い時から(子供の時から)よく考えているなー」ということにまずとても感心しました。考えに考える。まず「自分の心」を整理し、「目標」を設定し、「それを分解していって具体的なアクションプランを策定し」「実行する」。簡単にできることではないとはいえ、これ自体は、何かを上達する場合や、ほとんどのビジネスでも、常道手段だと思います。僕も基本的にはそうやって生きてきた、という自覚はあります。
が、それを「人生レベルの長さと重さで」「子供の時から考え続け」「そして想像を絶する水準でやり続ける」男の話。自分の持っている能力や気力からあまりに大きく乖離しており、正直言って「自分に置き換えたり」「刺激をもらったり」というレベルは超えていました。でも内容は面白くって、すいすい最後まで読んでしまいました。
 
僕にとっては「この本から何か刺激を受ける」とか「学ぶ」とかいう感じではなく、「うわー、こんな男もいるんだなー」と感心する、という種類の本でしたが、もっと若く、大望を抱く人ならば、違った感じ方をするのではないかと思います。
正直言うと、僕もちょっとは影響受けたかもしれません。

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