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多事争論 財産のことについて考える

ここ最近、「投資をしましょう¥」「投資をしましょう¥」と地上波、新聞、雑誌、SNS、Youtube等で伝播している状況です。折しも2024年1月からNISA制度が変わり投資非課税枠の拡大が行われる予定です。そこで資産形成が注目される今、「お金」や「財産」について想うことを自分の体験通して書いてみたいと思います。

日本経済新聞社のお題「お金について考える」に沿った投稿になります。投資についてはあまり詳しくないのですが、ちょっと自分の考えをまとめて見ることにしました。


(1)投資ブームをみるにつけ

2024年1月に始まるNISA制度の改変に伴い、投資に関するニュースやSNS書籍がたくさん見られます。若い世代の金融商品購入を後押ししようとする動きもみられます。

若い人でも投資に意欲を見せる方が多いようです。様々なことに興味を持ち、教養や知見を深めることはいいことだと思います。

ただ少し立ち止まってみましょう。金融商品の購入って本来、少し長めの期間や将来を見据えて行うものだと思慮します。今我慢して将来に託す具体的なこと(住居の購入や結婚、子育て資金)がないとなかなか意義を見出しづらいものです。それでは長期を見据えて継続していくことは難しいでしょう。
テクニックに興じてマネーゲームを楽しむことも一考ではありますが、それは将来を長期にわたり見据えた物とは言えず、公益性のある活動でも本来税制などで優遇するべき行動でもないように認識します。

自分も投資として信託商品や個別株等を購入していますが、これは40代になってから開始しました。これは老後資金や子孫に残すという明確な目標や応援したい企業があります。従って信託商品や個別株式の価格の変動があってもうろたえることがありません。
40代で信託商品の購入を始めても定年となる65歳まで約20年ないしそれ以上の期間が確保できます。それだけの期間があれば十分資金を積み立てることが出来ると考えます。

若い世代の金融商品購入が活発な現象は日本の国力低下に伴い、将来のお金や財産の心配を若いうちからしなければいけない事の裏返しでもあります。

(2)そもそも財産って

法律的には民法 86条に有形の財産として 不動産 (土地および土地に定着している物)と 動産 (不動産以外の物)に大別されています。

世間的に財産といえば、現金預貯金や金融商品のような「可視化できる財産」を意味したりすることが多いですが、個人の能力や経験、交流や人とのつながりなど、お金では測りきれない「目に見えない財産」も価値を持つものも財産とみなされるべきでしょう。

今必要な能力を身につけたり、資格を取得することで稼ぐ能力は高くなることでしょう。いわゆる自己投資というものですね。仕事をしっかり任されることで稼ぐ力という財産が有れば、将来、お金を生む原動力になります。

また人とのつながりはお金を出せば即得られるものではありません。金を出せば簡単に得られる縁は「金の切れ目が縁の切れ目」にしかなりません。信頼がなければ人との末長い交流は生まれないわけで、それにはそれなりの時間と資金を費やして信頼値を蓄積していく必要があります。

(3)自分が20〜30代のころ

自費購入した書籍の一部

自分が20代から30代の頃は財形貯蓄で給与天引きの貯金をしてはいましたが、投資の勉強はあまりしていなかったように思います。それよりもシステムエンジニアをしていたこともあり、リアルタイムで必要なスキルや知識を得るために、また資格取得のために書籍を購入し、そこで得た知識を仕事に活かしていました。

現在では仕事に必要な知識を得るために自己資金を投じてということはなくなってしまいましたが、それでも65歳まで現役で働けるよう体のメンテナンスをしたり、身体にいい食品を摂取するよう心がけています。これもある意味自己投資であり、将来を見据えた健康財産を蓄積していると言えます。

オフには自転車旅行で北はロシア連邦サハリン州、南は台湾まで広く自転車をこいでいました。自転車旅は節約しつつもそれなりに出費はありました。しかしその経験は財産として蓄積され、ときにアウトプットとして夏休み子ども企画で1泊2日の自転車旅を企画することが出来たり、noteで記事を書くことが出来たりしています。

繋がりに目を向けると青年会議所活動では年会費のほか、活動費に多額の費用が掛かりました。青年会議所で自己資金を投じながらも繋がりを作っていくことで、学童保育の父母会活動や地域コミュニティの活動にそのつながりが生かされてきたところです。

これらのことをしなければお金をせっせとため込み、資産を形成できていたでしょう。しかし、それなりの資金を投じ、いろいろな経験をしたからこそ現在快適に居場所を作ることが出来、地域での様々な活動が可能になっていると振り返ります。

(4)古の格言を振り返って

お金は使ってこそ価値があります。「蔵の宝より身の宝、身の宝より心の宝第一なり」という言葉もあります。蔵に蓄える財宝よりも、身の財がすぐれ、身の財よりも、心に積んだ財の方が価値があるという意味ですが、お金にとらわれ過ぎることで心身の健全性を失うようでは本末転倒と考えます。

節約に励みお金を大切することは大事なことではありますが、一方で心豊かな生活を送るために、金では得られない財産を年月かけて蓄積することも忘れてはならないと考えます。これは時を得ないと出来ないことであり、普段からの積み重ねが必要です。

(5)まとめ

金融商品への投資の考え方に「長期・分散・積立」があります。個人の能力や経験、他とのつながり交流を形成するにもその考え方はしっかり適用されると考えます。投資ブームでお金や金融商品など「可視化できる財産」の研究を進める一方で、忘れがちな「目に見えない財産」にも目を配り、長い年月をかけて(長期)、様々な能力や繋がりを(分散)、貯えていく(積立)人生でありたいものです。これが心の豊かさ、有意義な人生につながると考えます。

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