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【ネタバレあり】自分の正解を見つけ出さないと他人に壊され続ける | ドラマ 『転職の魔王様』 感想

仕事で壁にぶつかるたびに自分のキャリアについて考え直す。
転職はいわば自分を見つめ直すタイミング。

「この会社で、この仕事で本当にいいのだろうか?」
社会人の誰もが一度は抱いたことのある想いに真っ向に向き合っていくドラマが『転職の魔王様』だ。


あらすじ


新卒で入社した会社を3年足らずで辞めた未谷千晴(小芝風花)。
困り果てた千晴は転職エージェントの会社を経営する叔母の落合洋子(石田ゆり子)が社長を務める転職エージェント『シェパードキャリア』を訪ねる。

一刻も早く転職先を見つけたい千晴のために、”転職の魔王様”の異名を持つ転職アドバイザー 来栖嵐(成田凌)を担当につける。

千晴は早速来栖との面談を行うが、そこで伝えた希望は「履歴書の空白期間をとにかく埋めたい」「未経験でもいいので働きたい」「わたしを必要としてくれるところならどこでもいい」というもの。

千晴はパワハラ上司の顔色を常に伺い、要望にはすべて応えようと悲鳴を上げる身体を無視し続けた結果、休職に追いやられしまったという過去があった。

来栖は求職者の仕事や生き方への悩みを辛辣な言葉遣いで一刀両断し、依頼者の気持ちに寄り添うスタンスとはかけ離れたやり方する。

一見厳しい口調に聞こえるが、それが本人が気づかなかった本音をあぶり出していく。求職者たちの本音を引き出し、「仕事」に「自分」に「人生」に向き合うきっかけを作っていく。


誰かに必要とされることがわたしの生きがい?


誰かに必要とされることって一番わかりやすいやりがいにつながる。
だって、必要とされるってうれしいから。

でも、それは本当にあなただから?
ドラマのなかでもこのようなセリフがあった。

誰かに必要とされれば家畜のように従順に働き、その人の価値観をうのみにして壊れるまで働き続ける。
そして、簡単に捨てられる。

『転職の魔王様』一話より抜粋

誰かの要望に応えようと必死になりすぎると、その人が求めるものをそっくりそのままコピーした、いいように使われる操り人形になってしまう。
同時に心はどんどん壊されていく。

誰かに応えられる自分ってすごく誇らしい気分になるけど、それはそこに自分の本音が伴ってこそ。

誰かに侵略される毎日を送っていると、他人の本音があたかも自分の本音になって「本当に自分がどうありたいのか」がわからなくなる。

自分の正解は自分で出していい


わたしたちは自分の大切なキャリアや人生の選択さえ、簡単に他人の介入を許してしまう。

「どんなに滑稽でも どんなにくだらなくても あなたが本当に望むなら それが正解です。 あなたの正解は あなたにしか分からない」

『転職の魔王様』一話より抜粋

誰かの本音に寄りかかるのは楽だけれど、誰かに正解を教えてもらう人生なんてすこしつまらない。

どんなに滑稽でも、くだらなくても自分の正解は自分で出していい。

揺るぎない自分軸を見つけるためには、自分自身の「本音」にフォーカスをあてる必要がありそうだ。

『転職の魔王様』はそんなリアルに悩む社会人すべてに容赦無く突き刺さり警鐘を鳴らすドラマになるだろう。

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