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ビアンカを探して。


鳥山明先生の訃報にふれて

2024年3月8日、漫画家・鳥山明先生が3月1日に逝去されていたことが報じられ、世界中が悲しみに包まれました。

物心ついた頃にはDr.スランプのアニメが始まり、ドラゴンクエストは1から、ドラゴンボールも連載開始がリアルタイムという、とても恵まれた世代だったのではないかなと思います。

今月から始まるSAND LAND THE SERIESも楽しみでDisney+入るしかないと思ってたほど、つい先日までSAND LANDのコメントも出されていただけに本当に悲しく寂しいです。

自分の人生のほぼほぼに鳥山作品があっただけに、これから新しい作品に出会えないという喪失感でいっぱいです。

最高のヒロインはビアンカ

鳥山先生が「欲しいものが買ってもらえなかったから絵で描いた。描いていたら上達した」みたいなことを話されていたのを紙面で読み、それに勇気をもらい自分もいっぱい絵を描いた幼少期でした。

ドラクエ3の勇者と大魔王ゾーマ、フリーザ様を一番描いたかもしれません。

鳥山先生が生み出した魅力的な女性キャラクターは本当に数多くいます。
アラレ、鶴燐、ブルマ、チチ、人造人間18号、ドラクエ3の僧侶、賢者、後に追加された女性版の勇者、ドラクエ4のアリーナ・・・本当に数え切れません。

その中にあって、ドラクエ5のビアンカが、自分の中の最高のヒロインです。主人公より2つ年上のお姉さんで、10年後に再会して・・・というストーリーは、まさに「#男の子ってこういうのが好きなんでしょ」という感じでした。王妃として、妻として、母として、一人間として、ビアンカはとても魅力的なキャラクターです。

事務所の自分の席から見えるところにビアンカのフィギュアを飾っています。

ビアンカのフィギュアは事務所にも飾り、毎日ビアンカに見守られて仕事しています。それぐらいビアンカは特別。

そんな魅力的な女性キャラクターを描き出してきた鳥山先生ですが、「ラブコメは読めない、ダメ」と語っておられました。

Dr.マシリトのモデルで知られるラブコメ好きの鳥嶋さんが出したアラレとオボッチャマン、あかねと突詰、タロウと鶴燐、悟空とブルマを恋愛させろという指示に対しては拒否し続けたと言われています。

結果、悟空とチチの結婚もあっさり描かれました。

でも、その一方でブルマとヤムチャが結ばれず、ブルマとベジータが結ばれるという90年代のドラマのような展開もあったり。
個人的にはツンデレ18号とクリリンのカップルが一番好きです。

ビアンカ派VSフローラ派・時々デボラ

ドラクエ5は発売から30年以上経過しているにも関わらず、今でもネットの掲示板で花嫁は誰かという議論が繰り広げられており、WEBメディアでも毎年記事になるほどです。

検索エンジンでは「ビアンカ フローラ論争」というサジェストワードが躍り「たけのこの里、きのこの山論争」のように過激な議論が繰り広げられています。

僕は圧倒的なビアンカ派。何度目かのプレイで1度だけフローラを選びましたが、チゾットの山道でみずのはごろもをもらったタイミングで
「こんなアイテムのためにフローラを選ぶなんて最低だ!」と後悔し、セーブデータを巻き戻しビアンカを選び直しました。
それ以降も何十回とプレイしていますが、ビアンカ以外を選んだことがありません。

ですが、フローラ派は言うわけです「フローラは実家が金持ち、アイテムももらえるし、イオナズンが使える」

「なにそれ、たわけが!金とアイテムに目がくらみやがって!主人公はグランバニアの王家ぞ!イオナズンが使える頃には、はかいのてっきゅうも手に入るわ!」と僕は思うわけです。デボラ?ちょっと存じ上げませんね。

ビアンカ派の著名人の言葉をみてみましょう。
山田孝之さん(フローラ派に一言)「よく村行けるな!ビアンカがいる村によ!」
長瀬智也さん(フローラ派の中川翔子さんに)「ウソだ!ビアンカだろ!」

フローラ派の言い分「幼馴染ヅラするな」

フローラ派にレヌール城のお化け退治の話をすると
「たった1日冒険しただけで幼馴染ヅラするな」と言うひとがいます。
それではここで作者・堀井雄二さんの見事な回答をご覧ください。

「時々『ビアンカとは一日冒険しただけなのに結婚するほどの関係だったのか?』と言われることがあります。

でも皆さんも思い出して欲しいのですが、子供の頃にどこかへ旅をしたという想い出は今でも心の中に残っていませんか?

2人にとってレヌール城のお化け退治は、たった1日であっても、それだけ心に残っている想い出だったということです。私は、永遠に心に残る想い出は、『1日だけの想い出』ではないと思っています。

主人公がお化け退治を回想するようなシーンを入れるのは野暮ってものなんで、その辺は皆さんの脳内で補完しておいて下さい(笑)」

さすが生みの親、まさに仰るとおり!です。友達が墓に生き埋めにされて掘り返す体験なんて一生モンでしょう。いや、なんならレヌール城攻略にゲームの中で2週間ぐらい経過させるけどね。と、思います。

このレヌール城のイベントに関して、自分が思い出す出来事があります。
小学1年生の夏休み、大阪~鹿児島にフェリーで家族と旅行しているとき、船上で1人の子と出会います。

僕よりいくつか年上で、偶然にも同じ市内に住んでいるということでした。
すぐに仲良くなり、フェリーの中を一緒に探検しました。

その船にはプールがあって、プールサイドで新聞を読んでいたオーストラリア人のグループに話しかけた体験。生まれて初めて外国の人と話をした、あの冒険の1日は今でも鮮明に覚えています。

下船のとき、またいつか会えるといいねと言って別れたまま再会は叶っていませんが、子供の頃の1日の体験って本当に忘れ得ぬものになっているんですよね。

まぁそれを言うと、後のリメイクで追加された、船ですれ違う幼少期の主人公とフローラ・デボラ姉妹も記憶に残っているかもしれませんが・・・。

その出会いも、今みたいにスマホやSNSがあれば、簡単に連絡先の交換もできたかもしれませんが、そういう儚い出会いも思い出深いものです。

ということで、フローラ派の「1日冒険したぐらいで幼馴染ヅラするな」はこれにて論破です。そうして今日も僕はビアンカを探しているのです。

ミルドラース討伐後のグランバニア一家を描いて欲しい!

今、大ヒットしている葬送のフリーレンの1話を観ていて衝撃が走りました。魔王討伐後の平和な世界から物語が始まるということです。

この瞬間、僕の中で長年秘めていた思いが溢れ出すような感じがしました。
「ドラクエ5でミルドラース討伐後の主人公一家をアニメにして欲しい!」です。映画のユア・ストーリーとかじゃなくて!!

あんな壮絶な人生を歩んできた主人公とビアンカには何倍も幸せになってほしい!それを見せて欲しい!と思うわけです。

王妃として国民のお悩み解決に奔走するビアンカとか、城下町でママ友たちと井戸端会議するビアンカとか、仲間モンスター同士の喧嘩を仲裁するビアンカとか、反抗期の息子に手を焼くビアンカとか、娘の初恋の相談相手になるビアンカとか、家族で一緒にご飯つくるビアンカとか、山奥の村のダンカンのところに家族で帰省するビアンカとか、サラボナのルドマンさんのところに双子がホームステイしている間、主人公とイチャイチャするビアンカとか・・・こうあるだろ!ビアンカの幸せな日々を描く術がよ!

フリーレンとスパイファミリーと王様ランキングとかをさ、こう錬成した感じにさ!ビアンカの日常系アニメを観たいんだ!

だって、ビアンカが石像にされていた時間、愛する子どもたちの成長を見られていないんですよ。
おむつ替え、夜泣き、授乳、離乳食づくり、ハイハイ、つかまり立ち、初めての言葉・・・親として当たり前に観て過ごす幼少期の子どもたちの成長のほとんどを体験できてないんですよ。その分、
ビアンカ「あーもう毎日たいへん!でも、最高よ、この暮らし」
とか言わせてあげたいんですよ。

お願いします。誰か作って。いや同人誌でそういうの見たことあるけど、やっぱりビアンカは鳥山先生の絵柄で動いてこそビアンカなんですよ・・・。

鳥山先生、本当にありがとうございました。
あなたの作品にリアルタイムで触れられてきた僕たちは幸せでした。
そして、鳥山先生に影響されて育まれてきた日本のマンガ・アニメ・ゲームに触れている今の子たちもきっと幸せです。

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