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詩【崖(まま)】

世界の息苦しさに打ちのめされそうでも お前はお前でい続けろ
決してうずくまったまま 終わらせてなどくれるな

怖い 寂しい 痛い 躓く臆病者よ
どうかその心を忘れずに それでも歩みをとめずにいけ

言い訳をいくらでも抱えられるそのずるさに 負けるんじゃねえぞ
他者からの残酷な評価など どこ吹く風で弾きとばせ

唾を吐きたい気持ちもわかるが お前の価値は俺が知っている
だからお前はそしらぬそぶりで 向かい風にまっすぐ進んでいけ 

ほんの数歩でいい
毎日進んでいれば 必ずいつか頂がみえるだろう

お前が信じるのはお前だけでいい
神に嘲笑われようとかまいやしない

俺の言葉を忘れたとしても
その鼓動を絶やさずに 歩いていけ

おまえの命はおまえのものだ

たとえ肉体が切り刻まれるほど痛かろうと
誰がお前の魂を奪うことなどできようか

春はもうすこし先だ
あそこにみえる仄暗い空を目指し

お前は呼吸をする
滴る水をぬぐい 熱に浮かされたように息をもらし

ぐねぐねと目が回りそうな獣道を
ゆっくりと踏みしめる

歯を時にくいしばり しばし息をつめ
脈打つ己の生ぬるい体温を飲み込み

一歩一歩ゆらゆらと
しかし確実に進んでいくのだ

さあわずらわしい身体を捨てることなく
歩んでいけ 

泣きたいなら泣けばいい
それでも離すなよ 

お前の手はしわくちゃで骨ばっていて
あたたかい人の血が通っているのだから

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