見出し画像

痛みも生きる力になるのだと、大好きな漫画を読んで感じた夜のこと

しとしと雨が降っていて、持病の左半身の神経痛でまた眠れなかった。
そんなのはよくあることだったし、そもそも24時間続く痛みにはもう慣れっこだ、とつよがりたかったけど、どうもその日はダメだった。不安が次から次へととめどなく体を引っ張ってくる。

私は寝るのを諦めむくりと起き上がる。心の中にあったのは、こうなったら大好きな漫画家の新作の読み切りを読んでみよう、という縋るような感情だった。

この作品を読んだのは雨の夜だった。もう死にたいとは思ってないけど、でも色んな不安がぐるぐる胸を駆け巡ってどうしようもない日で、だから助けてほしくて深夜にパソコンを開いて楽しみにしようと思っていたこれを読んだ

上記は、自分の携帯のメモに書き殴った感想の一部。作品のタイトルは、『死にたい夜にきみと願う』。
正直重めのお話なのかな、て印象を受けていたので、じっくり読もうとブクマしておいたやつ。
なんか、改めて題をみると雨の夜にもめちゃんこ似合いそう。この作者さんはどん底の私を何度もすくいあげてくださった方だから、今はこの作品が自分に必要だ、て確信があった。

LINE漫画で7/22まで全部無料で読めるらしい。


読み終わる頃にはぱたぱたと涙がとまらなくて、なんだか胸がいっぱいで、すごく胸のあたりがぽわぽわとあったかい気持ちで。元気になる、て他の読者さんが書いてらっしゃるのをたしかTwitterでみかけたけど、本当にそう。希望がぱちぱちやさしく心の中で弾けていて、登場人物たちの姿が愛しくて、きっと今読むことは自分にとって勇気のおまじないになったのだと思う。

この作品に出会えたことで救われた夜が自分にあったことを私に覚えておいてほしい。それから一ファンとして、今必要な方にこの物語がどうかより届きますように、と思いをこめて、noteを綴っている。

読み切りであっという間でありながら、濃厚でぎゅうて作者の思いが詰まっていて、少年二人のまっすぐで不器用で眩しくって、そんな彼らの人生とか思いが胸を突き刺してくる作品だな、て思う。

何かを信じることって、やっぱり叶う保証がなければとても怖いんだ。少なくとも私は

病気を理由に、表現をまたやめたくなったりもしたし、利き手が前みたいに普通に動いて憧れだったギターの練習がきっとまたできる、足の痛みも治って不自由なく走ったり、支障なく夢に向かって芝居して舞台に立てる、て信じることが残酷に思える夜もある。
今よりは病に悩まされていなかった時だって何度も疑ってきて、そういう全部に押しつぶされそうで、ああ、自分は弱いなぁてたまらず、嫌だった。だけど、唐突に無理かもしれないて思った時にそっと寄り添って、ひっぱりあげてくれる、きみに出会えた。

痛みてないほうがいいてそりゃ思う。だって正直にいえばむちゃくちゃしんどいし。そして、何かをこんなにも好きになったり信じて自分に期待しなければ、もっと楽だったかもしれないのに、て、諦める方に心が傾きそうになる。
何度もきっと大丈夫だて思って、でも自信を失ったり勇気がすりへったり。人生はそういうことの繰り返しで、何もかも手放したくなる時もある。
そのたびに、私は雨の降っていた夜、この作品に手を伸ばして、助けてもらったことを、心に留めていたい。
否定したくなる夜に出会えたものがあるということ。成功するかなんて最後までわからないだろうし、でも、続けていれば、信じられなくなりそうな時に、自分を信じてくれる誰かにも出会えたりして、そうやって私の世界はこれからも構成されて繋がっていくのだということ。

本当の願いて言うことは難しい。自分の望むものに気づかないことだってある。
でもそれを口にできる、そばで受け取ってくれる人がいるのってやっぱりすごく素敵なことだから。

体とか心とか、負の感覚や痛みて否定したくなってしまうし、なければいいのにて必死に隠そうとすることもある。
それでも、私は、今積み重なってできた私だから、作品に感じる愛しさとか、叶えたい願いとか、色んなものがあって、それがやさしい運命へと姿を変えていくような気がしている。

死にたい夜がいつか淡い朝焼けに溶けてぬくもりに変化することだってあるんじゃないかて、生きていれば。信じていれば、何度でもきみと願うことができる。そうだったらいい、と祈るように思う。

信じた先にやり抜いて願いを叶えていけるように、これからも歩いていく。

この胸に湧き上がった切なさも涙も、それゆえの愛しさも、変えがたい私の宝物として、大事に抱えて、いつか空に返せるような生き方がしたい。

この作品を読んで、決定的に世界が変わったとか魔法で痛みの全てがふっとぶとかでは決してなく、日常で私はまたきっと揺らぐしうじうじもする。でもそのたびに思い出すから。ふとした時に台詞を思い返したり、生かされたのだと支えにしている。見上げれば星が私のもとへとまたたいて微笑むということは、きっと忘れずに。
世界は少しずつだけどやさしく色を変えていって、やっぱりそれはきみのおかげだ、て思えることもたくさんあって。

身を切るような思いも体の調子も、全て私の強さにできたら、なんて思えるくらいに、今なんだかいさましいのはきみたちがいるからなんだ。

言葉には尽くせないけど、言語化して残しておきたかった。ここまで読んでくれて、付き合ってくれてありがとう。

あなたに、眩しいほどのやさしい夜が訪れんことを。


この記事が参加している募集

好きな漫画家

連休に読みたいマンガ

サポートいただけると、大変今後の創作の励みになります。私がはちゃめちゃ泣きそうなほど喜びます。いただいたお金は表現活動費(ポエム朗読イベント参加費だったり、舞台を企画する際の制作費用だったり)や生きるための力(カフェでまったり執筆する)にしますので、何卒。