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これまで誰にも話せなかった、愛犬との約束

「なぜwebライターになろうと思ったの?」
「どうして平日に取材行けないの?」

聞かれるたびに、ゴニョゴニョと誤魔化してきました。

ほんとうのことを答えても、わかってもらえないかもしれない。わかってもらえないどころか、非難されるかもしれない。そう思うと怖くて、ほんとうの理由を話せないでいました。


抱えている悩みや葛藤など情けない部分も全部、リアルタイムで正直に書きながら新しい挑戦に体当たりし続ける中村洋太さんを応援しているうちに、考えを新しくしました。

私もありのままの自分を誰かに応援してもらいたいなら、まずは私のありのままを伝えなくてはならないと思ったのです。

勇気を出して、書いてみます。

私が自由に家を空けられないのは、来月10歳になる愛犬リコとの約束を守るためなのです。

このエッセイには犬が出てきますが、この犬が命を落とすことはありません。動物の亡くなってしまう描写が苦手な方も安心してお読みください。

愛犬との出会いと誓い

愛犬との出会いは2021年の4月、保護犬カフェ川西店のボランティアスタッフとして通っていたときでした。繁殖犬として使われていた彼女は、歯がボロボロで何本かは抜け落ちており、痩せ細った体をしていました。おそらく、犬のことを大事にしない繁殖施設にいたのだろうと思われます。

正直なところ、繁殖引退犬にしては、状態がマシな方だと思います。

保護犬カフェのボランティアスタッフをしている中、繁殖引退犬には、人間や他の犬をひどく怖がるタイプの犬と、無関心な犬、そしてなぜか人間にものすごく甘える犬がいるような気がしていました。酷い環境のなかで生き抜くためのその犬なりの工夫なのだろうと想像しています。(繁殖引退犬について詳しいわけではありませんので、あくまでも想像です)

その中でも彼女は、人間にやたら懐くタイプの犬でした。特に保護犬カフェのオーナーさんに強く依存していました。

▼当時の詳しい様子は、保護犬カフェのオーナーさんのブログをご覧ください

縁あって、そんな依存心強めのリコ(当時の名前は「イヨリ」)を引き取ると決めたとき、私はリコに3つ約束しました。

  • 一生の半分を我慢しどおしで生きてきたから、無理に我慢させないこと。

  • もう二度と人間の身勝手な行いで、つらい思いはさせないこと。

  • 息を引き取るときになって、ああしておけば良かったなんて後悔をしないで済むように過ごすこと。

周りの方からすると不可解でならない私の行動は、おそらくだいたい、この誓いを守っているに過ぎないのです。

例えば、デスクで作業をしているときにやってきて、構ってくれへんかな、という顔をされるとします。とても集中している時に限ってアピールされるので、本音を言うと、このまま集中して進めたいです。が、「仕事なんか中断してもっと遊んであげれば良かった、と思いたくはないな」と考えて、手を止めて遊びます。その分、深夜まで作業することになったりもしますが、やむなしと思っています。

構ってほしい顔をする愛犬


本音ベースで語る、私がインタビューや取材、交流会にあまり出向けない理由


半日出かけた私と再会して喜ぶ愛犬

私がインタビューや取材、交流会にあまり出向けないのは、愛犬を留守番させるとメンタル不調からの体調不良を起こしてしまい、それを私が申し訳なく思ってしまうからです。

私の外出中、夫や母が家にいても、トイレを我慢したり、ごはんを食べなかったりするそうです。おやつを口に入れてもポロリと落とすとか。その様子を想像するとどうにも気の毒で耐えられないので、私の意思で、お仕事の範囲を狭めています。


去年の半ばまでは、在宅オンリーのお仕事にこだわっていました。通院以外では外出していなかったように思います。

予想外だったのは、できることの範囲の狭さと、気晴らしのできなさに、いつしか私にストレスが溜まってしまったことです。

家族で話し合い、夫(有給取ってもらう)と、母(大阪から静岡に来てもらう)に留守番をお願いしながら、少しずつ外出の機会を増やしつつあります。それでも、平日は月に2回の外出が限界。全てお引き受けするのは、難しいです。


外出を増やすにつれ、愛犬も少しずつ私の不在に慣れてきて、大大大好きなごはんやおやつは食べられるようになってきたとか。昔は毎度お腹を壊していたことを考えると、ありがたいことです。

東京へも日帰りできるようになれば、仕事やライター仲間との折り合いがつけやすくなるだろうと思い、最近は人間の体力を増やそうとしています。あと数年すればもう少しなんでもできるようになりそうです。(どこかで介護が必要になるだろうから、短い期間になるかもしれないけど)


本音ベースで語る、私がwebライターになった理由

家のなかで暇を持て余して、昔の自分が知りたかったことをnoteに書き始めていたのがきっかけです。


リコを引き取ってすぐは、トイレに行くだけでリビングから不安な音が聞こえていました。夜中も目が覚めるために不安になって私を呼ぶので、1人と1匹で毎朝寝不足でした。こんな状況が2022年頭くらいまで続いていたと思います。

長時間留守番できるようになるまで、どのくらいのトレーニング期間が必要になるか見当もつかず、引っ越してから1年以内には……と考えていた転職時期をどんどん後ろ倒しにしました。ハローワークで「犬同伴OKの仕事ってありますか?」と相談した覚えもあります。

暇を持て余してnoteを読み漁っていて、自分も何か書きたいなぁと思い始めました。遠距離恋愛から結婚したときの決断が多くて大変だったから、自分の考えたことやその結果が悩んでいる誰かの役に立てば、と思って自分もnoteに投稿し始めました。

そんな話を学生時代の友人にしたところ「noteに投稿するほど書くことが平気なら、ブログ書いて稼ぐってのやってみたら?」と軽く提案を受けたことで、アフィリエイトブログやwebライターという仕事を知りました。そこからクラウドソーシングに登録し、かくかくしかじかの経緯を経て、今に至ります。


リコが分離不安症を乗り越えて留守番できるようになったらどこかのメーカーで再就職するかもしれない、と昔は思っていましたが、去年その選択肢を捨て、このまま書くことを核として生きていきたいと考えています。


犬のために!?と驚きと共に見放したくなるか、贅沢なとイライラするか、ともかく、マイナスな感情を抱かれてしまったかもしれません。嫌な気持ちにさせてすみません。でもこれが本音なんです。命を預かるときにした約束を守りたいだけなんです。私とリコのペースで、進みたいだけです。


犬を飼う人がみんな在宅業務にすべきとは全く思いません。そもそも強要する立場にありません。犬にも性格があるから、飼い主と一緒に家の中にいない方がいいと思っている犬だっているでしょう。1匹では寂しいけど1人遊びできるし、昼寝もできる犬だって多いと思います。
これは、里親や飼い主として当たり前!な話ではなく、あくまでも、自分のたてた誓いを守りたいだけだと、ご理解いただきたいです。


(おまけ)何を目指して書いていきたいのか

人生の路線を大幅に進路変更したけれども、成し遂げたい手段が変わっただけなような気もします。

当たり前のことを当たり前にできずにもがいている人や、そんなこと頑張っても何の意味があるのかと言われてしまう人のために、何かしたいと思っています。

メーカーに就職した時は、新しい技術や製品を開発することで、直接的になんとかしたいと思っていました。(叶いませんでした)

ライターとしては、社会全体を、ほんのちょっとずつで良いから、他の人に親切にできる世の中にするための何かができたらなと思っています。

今のところ、伝える手段の中では「書くこと」が一番得意そうなので、この在宅期間を活かして、なんとか人様に最後まで読んでもらえるような、そして心を動かせるような書き手になりたいです。

書くスキル以外では、まずは私が他人事と感じることを減らしたいので、この街で友や仲間と呼び合える人を増やしたいです。同時に、地域社会で「書ける人」として認知されたいから、地域メディアでのお仕事に力を入れ始めています。


私の発信を読んだ人が、他人だとしか思えなかった人に、ほんの少しでも親切に、優しくできたら、これ以上嬉しいことはありません。


カフェに里帰りした時の写真。今でもオーナーさんのことが大好きです。


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