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「海」だけじゃない宮古島 / 宮古島日記

宮古島で暮らし始めてから一か月が経った。
わざわざ書くまでもなく、宮古島の海は綺麗だ。

それとは別にある一つの点に立って宮古島を見てみたい。
すなわち、宮古島は「昭和」が残っている街である。と仮定してみよう。

もしあなたが「おすすめ 昭和レトロ 喫茶店」を検索したとする。
そして友達を誘ってとりあえずグーグルの口コミが4.6くらいの喫茶店に行ってみる。
その喫茶店では店内に昭和な音楽が流れていて、他の席にはキラキラした女の子二人組やカップルが座っているのだ。
あなたは友達と何を頼もうかと相談して、二人ともクリームソーダを注文する。
運ばれてきたクリームソーダを見て歓声を上げ、食べる前に写真を撮って、インスタグラムにアップする。

僕は宮古島のある喫茶店に最近は通っているのだが、いつ行っても観光客の姿をほとんど見かけることがない。
そもそも、入り口がドア一つで大きな看板もないからぱっと見だと営業しているかを判断することも難しいのだ。
客の大半は地元の人で、程よく空いている。
だから、本を読んだり、文章を書いたりして、長居しても居心地が悪くなったりしない。

雰囲気は「昭和レトロ」だ。
しかし、現代のポップスが流れてるし、クリームソーダはメニュー表に無い。
そして、喫茶店が観光客のためにあるわけではなく、そこに住む人たちのためにある。
街と喫茶店が近い距離にあるのだ。
僕が通っている喫茶店の他にも何軒かの喫茶店がある。
その多くの喫茶店は観光に来た人ののためだけでなく、住んでいる人との距離が近いのだ。
「昭和レトロ」が現代から見た昭和のエモい表層部分のみを取り出したものだとする。

宮古島の喫茶店は昭和の時代からエモい部分もそうでない部分も現代に受け継いだものなのだ。「昭和」そのものであるということもできる。
エモい部分を上手く取り出した「昭和レトロ」と、古臭ささえも感じられる「昭和」。僕はどっちも好きだ。

喫茶店という点以外においても、宮古島にいると「昭和」そのものを感じるのだ。
詳しくはこれから書いていくと思う。

そして、宮古島は観光地である一方で、もう一歩足を踏み込んでみれば「何か」がある。
その「何か」は現代では大半の場所で失われてしまったもので、悪い面もあれば良い面もある。
もう少し宮古島に居て、その「何か」を探していきたい、と思う。

ちなみにこの文章も喫茶店でオムライスの大盛りを食べた後に書いている。
もちろんテーブルは、花札の台だ。






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