マガジンのカバー画像

万葉の恋

22
もう、自分は完成されたと思っていた主人公。心に秘め続けた気持ちは、ある日を境に零れはじめ、完成されたはずの主人公を変えていきます。愛のカタチは人の数だけ、正解はありません。
運営しているクリエイター

記事一覧

万葉の恋 【白夜】

【2002年】 就職活動、最後の面接が終わった。 見えない鎖でつながれたような 緊張感から解…

Sakura
1年前
7

万葉の恋 第21夜

「帰るか?」 ・・・。 「行くわよ」 彼より先に足を出す。 「どこに?」 背中に聞こえた…

Sakura
1年前
5

万葉の恋 第20夜

3.18 担当の引継ぎ、向こうでの生活の手配、 韓国語と出版に関する知識を叩き込んだ。 頭、…

Sakura
1年前
3

万葉の恋 第19夜

2.4 「どういうことだよ」 「何が?」 外回りの後、呼び出された私は いつもの喫茶店で彼と…

Sakura
1年前
3

万葉の恋 第18夜

【2016.1.8】 「・・韓国ですか」 新年早々 呼び出された会議室には 編集長と2人しかいなか…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第17夜

2016.2.3 「先輩、」 今日も豪快な寝ぐせだな・・ 「何?」 「三上さんとケンカしたんです…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第16夜

12.14 ・・・・ ・・・・・どこだ、ここ? ・・家の天井じゃない 視線だけ巡らせてみる。 見覚えがなかったけど なんとなく彼の香りがした。 三上・・ 昨日、彼の声を聞いた。 じゃあ、ここ・・ 考えながらも、 また、重くなってきた瞼・・ 「おーい」 ・・・。 「た・ち・ば・な・さん」 開いた目に映ったのは やっぱり・・三上だった。 !!っっ 勢いよく身体を起こした瞬間、 こめかみから、真横に 突き刺さったような痛みに 声が出せなかった。 脳内

万葉の恋 第15夜

12.13 「珍しいわね、レンちゃんが そんな風になるなんて」 カウンターに伏した私の頭の上か…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第14夜

「・・・」 「・・・できたじゃん。」 乱れる呼吸の中、並んで天井を見上げる。 ・・・・。…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第13夜

「ぱぱぁ」 両腕を広げて声の方に 女の子が走って行く。 ・・・。 「だめだろ、離れちゃ」 …

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第12夜

2015.12.12 街並みは、様々な イルミネーションに彩られていた。 冷たい空気を包み込むように…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第11夜

「寒っっ、隠れるなら、中にしてよ」 思わず、胸の前で両腕を組んだ。 いつから、ここにいた…

Sakura
1年前
2

万葉の恋 第10夜

無理をしていたんだろう。 病室に戻ってきた彼女は すぐに目を閉じた。 彼女が眠ったのを確…

Sakura
1年前
4

万葉の恋 第9夜

12.15 私達は、長崎にいた。 「まあ、遠い所をありがとうございます。」 小柄な女性が出迎えてくれた。 「いえ、こちらこそ。ご挨拶が遅れました。 立花漣歌と申します。」 ここは、彼の実家。5年ぶりの帰省に 落ち着かないのか、キョロキョロしていた。 あのプロポーズから ようやく合わせられた休み。 “結婚”の報告に来た。 5年の時間が経ったのは、 実際、忙しい事もあったが、帰る度に 周囲から“結婚”の圧が増していくのを かわす事に疲れるというのも 理由の1つだっ