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ワンワンはかわいいし、森山直太朗の歌声にジンとくるし、ネイルはだんだん剥げていく

12月までは普通にマスクをして出歩いたり、旅行したり、会社に出勤したり、誰かとごはんを食べたりと、「超絶★細心の注意」を払うような生活ではなかったのだけれど、年明けからコロナの感染者数が急増し、生活が一変した。まさに急転直下。州政府は週末外出禁止令を出し、会社は週5日の在宅勤務となり、ほとんど家から出ない生活がスタートした。

最初のころは「最近外食も多かったし、ダイエットのチャンスじゃん!」などと張り切り、
- 糖質制限にチャレンジして会社のメンバーに布教し、
- ダイエット系Youtuberの動画を見漁って「PFCバランス」の良い食事を実践し、
- 毎朝ちょっとだけ早起きして近くの公園を30分くらい歩き、
- 終業後に自重筋トレを30~40分程度やるなど、
何かと筋肉的・精力的に活動していた。
(ちなみに糖質制限は3日目に日本食レストランからから揚げ弁当とSUSHIをデリバリーしてから普通に諦めた)

するとどうだろう。2週間経った頃に腹筋に線が入り始め、若干引き締まってきたような気がする・・・!と喜んだのもつかの間、

なんとメンタルに不調が来てしまったのである!!!!

メンタルが不調だったことを強調太字に出来るくらいには回復したが、先週はマジでフニャフニャだった。決定的な出来事があったわけではなく、おそらく環境の激変が原因で、気づかないうちに心が疲れてしまっていたらしい。

訪れは突然だった。家に引きこもって2週間半が経ったある日の在宅勤務時、それまで簡単に出来ていたExcelの作業が出来なくなった瞬間があったのだ。「え、なんかコピペできんのやけど」と思ったその場で、謎の涙がつーっと頬を流れた。これはヤバイゾと思い、ちょうどお昼時でもあったので30分布団の中で休憩。その間も涙が止まらない。
やっとのことで仕事に復帰したけれど、夕方の所内会議で会社メンバーの顔を画面越しに見た瞬間またホロホロと泣いてしまい、「自分でも何で泣いてるか全然分からないんです、本当にごめんなさい」と何度も言い、余計な心配をかけてしまった。普段の自分なら会社メンバーの前でこんな姿を見せるなんてあり得ないのだけれど、この時は涙を我慢する余裕がなく、勝手に涙が出てくるような状況だった。

ポジティブで、くよくよしなくて、基本明るい、みたいな自分が自分に持っているイメージ、およびこれまでの経験でちょっとずつ培ってきたこのイメージへの自信が崩れ落ちていくような感覚を味わった。

この次の日、ラッキーなことに祝日だったので、会社のメンバーの一人がおうちに招いてくれた。そこにはでっかい白い犬とちっさい黒い犬がいた。動物愛護家である彼女はインドにめちゃくちゃいる野犬をちょっと引き取って育てたりしているみたい。
黒いイヌちゃんのほうは初対面の私にも懐いてくれて、ふわふわの毛をたくさん撫でさせてくれた。ワンワンは人間のように言葉は話せないのだけれど、何でか分からないくらい人間を信用しているし、分かりやすく感情を表現してくれる。ワンワンから与えられた愛情に満たされて、充足感たっぷりの休日を過ごさせてもらった。

とはいえ、ワンワンセラピーの次の日からも、落ち込んだり元気になったりを繰り返していた。落ち込んだときは思考が停止するので、何も考えないまま森山直太朗を聴くことにした。なおたろさん(わが母の森山直太朗の呼び名)はとびぬけて透き通るような声で、詩のような歌詞で、じんわり心を温めてくれた。『森山直太朗のにっぽん百歌』というYoutubeチャンネルはなおたろさんが日本の色んなところで気ままに歌っていて、景色とともに楽しめるのでおすすめだ。

そして何よりのセラピーとして、ちょっとずつ人に直接会う機会を持つようにしてみた。コロナのリスクはゼロではないけれど、心の健康が損なわれるほうがマイナスだと割り切ることにした。大人数で会わない・人混みに行かないのを意識しつつ、誰かと会えた時はこれでもかというくらい喋った。日本にいる友人と電話してくだらない話でギャハギャハ笑ったりもした。
いかに自分が周りの人の存在に支えられて「元気」を保てているのか、これまで以上に実感する機会となった。

プチロックダウン前にサロンに行って塗ってもらったネイルは、人差し指だけ完全に剥げている。ほかの指は、もはや爪の伸びを観察するためだけに機能している。「除光液」を英語名で何と呼ぶか検索する気力も、それをAmazonで頼む余力も残っていないような日々だった。

でも今は気分の波が安定しているような気がするし、こうしてnoteにも気持ちを綴ることができている。今週中には爪のネイルを綺麗に拭き取れるように、もうちょっと自分を労わっていきたいなと思う次第である。



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