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#55 読書をやや高尚な知的活動と位置付けてしまうのではなく、もっと日常の一部にしたいという願望

タイトルで言いたいことは言い切ってしまうスタイルです。

中学2年生の半ばに親にめちゃくちゃねだって初めてのガラケーを買ってもらった。確か、塾に行き始めたから連絡手段が欲しいとか言って。実際にはデコメを駆使して友達とめちゃくちゃメールのやり取りをしていた。

…と、ガラケーのおもひでを語りたいのではなく、それまでの私は読書がとても身近にあった。中学校では毎日10~15分くらい朝の会のあとに読書タイムが設けられていたし、家に帰ったあとも、ゲームやテレビと同じくらい暇つぶしの手段として当たり前だった。今でもたまに本屋に行って、「中身覚えてないけど読んだ気がするな」という本が割とある気がしてしまうのは、ガラケーを手に入れる前の中学生までに読んだことがあるかもしれないから?とも思う。

中学3年生になり、高校受験の勉強やガラケーでのキャッキャウフフが本格化してくると、読書は私からどんどん離れていった。朝の会のあとの読書タイムも勉強してたような気がする。その当時の私は勉強が一番の優先事項だったからしょうがないのだけれど。

高校の3年間は、授業+部活+課題が毎日のように続き、案外遊び惚けることもなく必死に生き、読書タイムを設ける余裕が無くなっていた。通学の往復80分は次の日に行われる単語テストの勉強でつぶれることがほとんど。辻村美月さんの本だけは好きで、高校3年間で結構読んだ記憶。

大学生になったころ、スマホを持った。LINEも始めた。スマホゲームにハマった。課題も割とあり、部活も続け、アルバイトも人並みに頑張ったが、暇な時間を読書でつぶすことはなかった。

会社員になって、通勤時間を持て余す毎日だった。でもなぜか、暇つぶしを読書に全振りすることはなかった。Kindleも買ったし、高校生・大学生の頃よりは確実に読む量は増えたのだが、10年近く読書する習慣から離れてしまっているからか、長時間本を読み続けることができなくなってしまった。15分に一回はスマホを見てしまい、なが~い小説を数時間で一気読みしたあとの読了感なんてものを久しく味わっていない気がする。

読書が身近でなくなってしまった理由をもう少し掘り下げて考えてみたところ、2つの結論に行きついた。

1つ。私の中で、読書がエラく知的な活動っぽい立ち位置になってしまったこと。巷には「この本を読むとタメになる」のようなレビューが溢れかえっており、かしこいひとはみな読書家なイメージが定着している(と私は思う)。ビルゲイツだってめっちゃ本読むらしいし、えらいひとは皆「座右の銘」は有名な本から引用している。
だからなのか、読書自体に心理的なハードルを感じてしまうのだ。やけに難しい本を読んで理解したい気持ちが先行してしまった結果、「おもしろーい!✨」な感情よりも「チョット何言ってるかワカラナイナ…(;^_^A アセアセ・・・」な感情が勝り、結局途中で飽きて読み終われない。

2つ。SNSが日常生活に浸透しきってしまったこと。
今や、Youtube、Instagram、Facebook、Twitter、皆さんの暇な時間のお友達のすべてが、「自分が見たいもの」をわざわざ探すための媒体ではなく、「ほらほら、これ、見たいでしょ?」と割と的確にツボを把握したオススメを提供してくれる媒体になっている。スワイプする限り、フィードは永遠に更新される。
私自身もSNSには大変お世話になっているし、Youtubeで毎日追いかけているクリエイターもいるくらいだから、「明日全部アンインストールします」なんて覚悟は全然ないのだけれど、
読書中に「難しいな」「ワカラナイナ」「ちょっと面白くないな」という瞬間に出会ってしまったときに私はスマホを手に取ってSNSたちを開いてしまっている。もうちょっと我慢して読み進めてみようかな、とか、この単語分かんないから調べてみようかな、の「ちょっとした忍耐力」が圧倒的に落ちてしまった気がするのだ。本当に何となくだし、私自身の感覚の話だけれど、暇な時間を癒してくれるSNS達があまりにも面白いコンテンツを提供しすぎるせいで、ちょっとでも面白くないことに耐えられなくなったのではないか?と推測している。
放っておいても次から次へと興味をそそられるコンテンツが自分の目と耳を通じて流入してくるこの状態に慣れきってしまうのは、いずれ、読書以外の活動にもこの受動的で飽き性な行動が反映されてしまいそうで、ちょっと危ないかも、と自分で自分に警鐘を鳴らし始めた。

以上2つの結論を導き出したうえで、私(お母さんキャラ)が私(娘キャラ)の脳内に語り掛けていることは…

子供のころ「本を読むって知的そうだな」なんて考えて読書してた?してないよね?確かに学ぶことは多いかもしれないけど、別に読んで大して何の感想も抱かない本だってあるし、いちいち学びがあるかなんて気にしなくていいから、もっとありふれた暇つぶしの手段として読書しようよ。好きな作家さん軸でも、好きなテーマ軸でも、好きな読書家さんオススメ軸でも、何でもいいから本買おうよ。何?SNSはお金かかんないじゃんって?はぁー。時間というお金を費やしていることに気づきなさい。あと、SNSは確かに口を開けて待っていれば面白いコンテンツをポンポン入れてくれるお気楽な媒体だけど、浸かりすぎたらダメダメよ。あと、いまのアンタに必要なのは「精読」かもしれないね。疑問に思ったり、面白くないなって思ったりしても、読むのをやめたり流し読みしたりしないで、ちゃんと読むこと。いい!?

独り言丸出しの記事になってしまいました。
#読書の秋2021 というハッシュタグを見かけて、「イケてる読書感想文を書きたい」と思ってしまったのですが、それより前に反省すべきことがあるなと思って、自戒記事を書き上げてしまいました。

よーし、今夜は寝る前20分だけYoutube見たら、あとは読書して寝るゾ~!📚

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