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フリースクールの選び方⑥ 入会その後

前回の「フリースクールの選び方⑤ 子どもと見学・一日体験」では子どもと見学や一日体験をして合う場所を決めるところまでを書きました。

フリースクール,あるいはその他の居場所で落ち着けそうなところを見つけて入会してからどんなことがあるか。

フリースクールや子どもによって注意点は様々ですが,私が考えるポイントを3つ書かせてもらいます。

子どものフォロー

当然,いろいろな面で子どものフォローが必要になります。

①通う回数など

最初から毎日通える子どもは少ないだろうと思います。五月雨的に行ったり,最初の数日張り切って通ったと思ったら休んだり。

ゆっくり慣れていけばいいし,疲れたり気が乗らなかったら休めばいいのです。

長期間在籍している子どもでも,毎日きっかり通う子もいれば,ずっと五月雨式の子,通う時期とお休みの時期を繰り返す子,通う曜日を決めている子,好きなイベントなどだけ参加する子,とさまざま。

順調に通っていたけれど,あるときからぱったりと来なくなる子も。

いつ・どう通うか,そもそも通うか通わないかは,本人が決めること。親はやきもきしてつい「行けばいいのに」と言ってしまいますが,ゆったり構えたいものです。

②通学

低学年の場合や,フリースクールが遠方の場合は,安全な通学ができるか,が最初のハードルになります。場合により,親が付き添うことも。

桜川さんの場合,当初はフリースクールスタッフの方が付き添ってくださったり,親が付き添ったりしました。

少し遠いところへ通うことは,一人で外出する力をつけたり,いろいろな人・ことと出会うことができる大切な経験です。通学時の事故やトラブルに気をつけながら,少しずつ自立して通学できるように見守りたいです。

③置き着替えや災害対策など

遊びや生活体験を中心としたフリースクールだと,水遊び・泥遊びで着替えが必要になる場面があることも。

さらに地震等の災害時には帰宅が困難になる可能性があります。

桜川さんの場合は,災害時には親がフリースクールへ迎えに行き,徒歩で帰ることを想定していました。

こうしたことに備え,徒歩帰宅時用に軽食(カロリーメイト等),ミネラルウォーターのペットボトルなどをリュックサックに入れて置かせてもらっていました。

公立小中学校は自宅から徒歩圏にあることが多いですし,災害時の引き取りの決まりが示されたりしています。しかしフリースクールの場合は子どもの年齢や自宅との距離がまちまちであることが多いため,一律に災害時対応を決めることはできないでしょう。

親と子ども,あるいはフリースクールとの間で,活動中に災害が発生したらどう対応するのか,確認しておくことをお勧めします。

親は

学校に通わなくなってから,どれだけ親が学校に頼っていたか,自分で考えていなかったかを思い知らされました。

遠足の持ち物は? この学年のこの時期に何を勉強したらいいのか?

はては,水着につけるゼッケンの位置までセンチ単位で指定され…

面倒だなと思う一方で,そのとおりにしていればちゃんと育児ができる気がしていたのです。

学校に通わないことで,親自身がたくさん考えて,判断することになります。

ときには摩擦を恐れずにものを言わなければならない場面もあります。

怖気づいたり,勇気を振り絞る必要があることも。

でも,これまでと違い世界に飛び出したような解放感もたっぷり感じています!

子どもだけでなく,親も学校に行かない選択の先を,一緒に楽しみたいです。

この連載はとりあえず今回で終了します。

親から見たフリースクール選びを独断に満ちて書いてきましたので,子ども自身やフリースクールを運営している方からは違った考えがあることでしょう。

また,フリースクールへの一歩を踏み出せない子どもと親,そもそもフリースクールその他の居場所が不足しているので,選ぶこともできない方もいるでしょう。

各所で発言されている「不登校新聞」編集長の石井志昂さんの記事をご紹介します。

どんな子どもでも,自分にとって居心地のいい場所があり,そこにいることが尊重されるようになることを祈ってやみません。

これまでの連載はこちらのマガジンにまとめています。いろいろなフリースクール等を見た桜川さんの実体験に基づいた「フリースクールの選び方」。ぜひ読んでください。




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