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フリースクールの選び方⑤ 子どもと見学・一日体験

前回の「フリースクールの選び方④ いよいよ見学」フリースクールの情報を集めて,親だけ見学しました。

さなぎの期間

見学を終えて,

「さあ,子どもをフリースクールへ!」

とは,ならないはず。

学校に戻るかもしれない,フリースクールに行ったらもう学校に戻らないかもしれない,という親の気持ち。

一日中うちでゲームばかりしていて,とても新しい場所に行ける様子ではない,という子どもの状態。

もしかしたら,「そんなところへ行かせたらどうなるの?」という外野の声もするかも。

たくさん迷うし,かなりしんどい。もうどこでもいいから行ってほしい。いやでも学校にお友達がいるし,勉強も心配。

ここはがまんのしどころ。子どもが動き出す気配をじっと観察するして,話ができるようならじっくり話していくしかない。

子どもが動き出すまで,「●か月です」とは一概には言えません。どんなサインを出すかも,その子によって違うでしょう。うちの場合,学校に行かなくなって半年経ったころ,一人で家で留守番をしているときに退屈して家の前でボール遊びをし始めました。遊ぶ元気が出たのはうれしかったけれど,昼間に子どもが外で遊んでいるのは心配になり,フリースクールか適応指導学級に行かせることを本気で考え始めました。

もちろん,どこかへ行かせるばかりがいいのではありません。家で自分のペースで過ごすもOK。「答えは子どもの中にある」のです。これが難しいんだけどね!

親は

ここまでは,「フリースクールの選び方④」までで集めた情報は,切り札として取っておくイメージかな。いざとなったらどこか行く場所がある,と思うだけでも少し安心できますね。

また,見学した場所について優先順位をつけると思いますが,くれぐれも親の好みを優先させず,子どもが生き生きと生活できそうな場所を選んでくださいね。素晴らしい理念の場所であっても,それがわが子の性格や成長の度合いに合っているか,は別問題なのです。ここで親の欲目がでるのだけど…(桜川さんもこれで失敗しています。とほほ)

子どもが動き出す前に,親だけフリースクールの個別相談や親の会に出てみてもいいと思います。一人で考えているとつい思い詰めてしまいますが,一歩外に出てみると,案外不登校の子どもは多いのだということ,そして元気に成長していることを知って,少し気持ちが軽くなるはずです。

※地域によっては不登校の子どもの居場所が少ない地域もあります。そういう場所にお住まいの方には,ほんと,ごめんなさい。居場所があるところに住んでいることへの感謝しつつ,どこでもどんな年齢の子どもでも通える居場所ができることを心から祈っています。

はじめの一歩

さて,さなぎが内側からもぞもぞ動き始めたら,いよいよフリースクールのことを子どもに話してみましょうか。

でも最初から「いいね,行くよ!」となるはずはありません。学校で傷ついて,外に出ることさえ怖いのですから,無理強いにならないように。

本人が「覗いてみてもいいかな」くらいの様子なら,見学か一日体験に行きましょう。

動物的勘

子どもと見学か一日体験へ。親は一度見学に行っているので,子ども主体で過ごします。

子どもとフリースクールなどに見学に行くと毎度驚くのですが,子どもがスタッフの方に対し「この人は信頼できる」と感じる動物的勘って,本当に鋭いですね。いろいろ決める要素はありますが,結局はこれに尽きるかもしれません。 (…それを言うとこの連載の②~④は意味がなくなるかな?)

入会まで

入るかどうか,の決断は急ぎたくはありません。子どももなかなか本心を言わないですし,じっくり親子で考えたいです。

正式に入会するまで何回か有料・無料で利用させてくれるところもありますから,スタッフの方とよく相談してください。

さっき,「子どもとフリースクールなどに見学に行くと毎度驚くのですが…」と書きました。はい,「毎度」と書くほど,いくつかの場所に連れて行きました。

実は桜川さんは,フリースクール選びに迷ったり,やることの順番を間違えたりして,今考えれば子どもに余計な一日体験をさせてしまいました。学校生活に疲れた子どもにとって,知らない場所にいきなり連れてこられて,初めての人に囲まれるのはとても負担がかかることです。また親の迷いは子どもの混乱も招きます。

親もつらいけれど焦らずに我慢する時期も必要だった,子どもに余計なストレスをかけずに次のステップへ進んでほしい,というのがこの連載を書いた動機なのです。

さて,入会後もしばらくは見守る必要があります。次の回では入会当初に気をつけるべきことを書きます。

また読んでくださいね。



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