見出し画像

ギブアンドテイクでは割に合わない

 営業をする上で大事な要素の一つに「ヒアリング」があります。お客様の課題は何なのか?予算は?社内体制は?知りたい事はたくさんあります。相手の課題を把握して自社サービスで解決策を提示する。費用対効果を試算して導入効果を見える化する。その通りだと思います。

しかし、ただヒアリングをするといっても初対面の人に全てを話してくれるとは限りません。あたりさわりのない言葉ではぐらかされ、「顧客の課題が見えませんでした。」となってしまいます。また、相手の状況も聞かずにどんどん営業を進め勝手に「導入するとしたらいつ頃ですか?」「いつまでに決めてれるとお値引きできます。」と言って進めるシーンを現場ではよく目にしてきました。

自分が営業される立場になって考えると、知らない相手にいきなり根掘り葉掘り聞かれたり、相手のペースで商談をどんどん進められると良い気分にならない人もいるでしょう。(もちろん初対面でもどんどんヒアリングされた方が話しやすいという方もいらっしゃるかと思います。)

ヒアリングがうまく出来ない原因は大きく2つあります。

  1. 相手が心を開いていない

  2. 課題を言語化出来ない

心を開いていない

置き換えると「相手との関係値」です。こちらが著名人であったり有名企業の役職者といった、知名度や権威がある人であればいきなりヒアリングしても答えてくれるかもしれません。それは相手が「この人は安心」と判断し、心のガードを下げてくれるからです。
知名度がないスタートアップのセールスではそうはいきません。こちらの商品を売り込む前に相手のガードを崩す必要があります。
また、厄介なのはガードの崩し方は相手によって違うところです。一通りのセオリーがあったとしても思った通りにいかないのが世の常です。

相手のニーズや課題を把握する前に、相手の心を開かせる

「会社紹介をしてサービス紹介をしてニーズをヒアリングする」という事は変わりません。しかし、ただヒアリングするのではなくいかに相手に価値を提供できるかがポイントです。
何も自社で提供出来る事だけが情報ではありません業界のニュースや、競合の取り組み事例など自分が関与していない情報でも良いので「相手にとって有益」と思われる情報を繰り返し提供する事が大切です。
5回提供(ギブ)してはじめて1回情報が得られる(テイク)というくらいのペースで考えておくとちょうどよいでしょう。
 1回提案すると10ポイントといったように、数値化をする事が出来ると楽なのですが、実際はそうはいきません。また、先週は仲良くいろいろ話してくれたのに今日は全然話してくれないという事もよくあります。
ですので5回というのはあくまでも目安ですが、情報を得るためにはまず与えるという事を意識しましょう。関係値を築けるとヒアリング出来る精度と濃度が変わってきます。

うまくヒアリング出来ないという方は、ギブが足りていない証拠です。ギブが出来ると、雑談増え、商談中に笑いがうまれ和やかに進める事が出来るでしょう。また、相手からいろいろ話してくれるようになります。無理に距離を詰めようとせずに、話せる距離感になったかどうかを意識しましょう。

情報提供のネタ例
・お客様の業界の動き
・世の中の技術革新の情報(生成AIがいまどうなっているとか)
・自社のアップデート
・最近の提案、導入事例
・競合など先進企業の事例
・ニュースリリース

ただ、自社の紹介や相手のメリット提示をしなくていいという事ではありません。昔、雑談を意識するあまり「今日は何のようですか?」とずばっと聞かれ、そのまま商談がうまくいかなかった事がありました。。。
個人的には、脱線した会話は相手のキャラクターがわかってからの方が無難だと思います。

次回は課題の言語化についてお話ししていきたいと思います。
ご精読いただきありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?