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できないこと集め - 13週(4ヶ月) -

終わりの見えなかったつわりの日々に、少しずつ収束の兆しが見え始めた。
だけど相変わらず不調のオンパレード。
この時期のメインは頭痛と疲労感だった。なんてことない日常生活でヘトヘトになってしまう。「たいしたことやってないのに…」と思いながら、体の中ではたいしたことをやっている。

あれもダメ、これもダメ

この頃は仕事をしていなかったけど、もうすぐ安定期。産後のためにも少しでもアルバイトで蓄えを作りたいと思い、PCとにらめっこする生活をしていた。

しかしこれがまた、難しい。
どう想像しても、今の体調で電車通勤できる自信がない。押し潰されるのも怖いし、そもそも長く立っていられない。とはいえ自転車に乗るのもよくない。
仕事内容も限られる。
なんたって、①重いもの持っちゃダメ ②立ちっぱなしダメ ③冷えるのダメ(真冬でした) など。

飲み食いだってこんなに制限があるのに、仕事や遊びまで規制ばかり。友だちにも自由に会えないご時世で。
何を心の支えに(そりゃ赤ちゃんの誕生なんだけど)、今の不調を乗り越えたら良いのかと、ベッドにもぐって泣いていた。

側から見たらただの我儘かもしれない。でもこの頃はとにかく「できないこと」を集めて並べ、悲観する毎日だった。

夫は「働いてほしい」とは絶対に言わなかった。
仕事から疲れて帰ってきても、「今日も赤ちゃんのために頑張ってくれてありがとね」と、閉じこもる私をねぎらった。

「できない自分」を受け入れられない

本当は、お金が欲しいわけではなかった。できないことが増えていくのが悲しくて、つまらなく思えて。
「そんなことない」って思いたくて、自分にもできる仕事を探し続けた。

「休むのが仕事だよ」と言っていた夫も、泣きじゃくって悲観する私を理解して、一緒に「妊婦 安定期 バイト」で検索してくれた。

やはり現実的ではなくて、結局働きに出ることはなかった。
でも、「できること」を探して、一緒に集めてくれる人がいて、それだけで孤独感が少し薄まったように思えた。一番必要だったのは、そういうことだったんだと思う。

日本で指折りのややこし妊婦のメンタルは、それはそれは予期せぬことばかり。無計画なひとり旅をはるかに超える、見通しの立たない大冒険は、まだまだ続く。

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