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個人だけどクオリティの高いMVを作った話②~協力者探しとディレクションのコツ

こんにちは、作曲家の櫻木咲子です。
今回は楽曲の話ではなく、私が個人で作ったMV(ミュージックビデオ)について書いています。
はい、何度でも貼りますヨ。こちらが全身全霊で制作したMVです。

前回は、ストップモーションアニメ制作についての紆余曲折を語りました。
今回はいよいよ、スタジオとカメラマン・編集さんについてお話します。


スタジオとの出会い

ストップモーションアニメの撮影をしなきゃな~(前記事参照)と思っていた頃、何か別のことを調べているときに、ふと検索にかかったんです。

トコヨノモリさん(京都)

最初見たとき、「え!!??」ってなって。というのも、私が表現したかった、描いていていた光景そのままだったのです!え?ええ?こんなスタジオあるんですか?しかも一般向けに貸し出ししてるんですか?なにそれすごい、神。
ギャラリー画像を確認し、素晴らしいと確信した私は早速お問い合わせしました。当日は照明もイメージに合わせて柔軟に変更してもらえるし、事前の打ち合わせで「すみません、木一本追加お願いします…!」という無茶ぶりなオーダーにも応えてくださいました。

うっすら風が吹いていて、普通に撮影しても動きがあるんです。


制作したのは舞台美術作家の竹内良亮さん。普段は舞台美術などを手掛けられいてますが、この作品は商業作品とは別に、「自分の作りたいものを好きなだけ時間をかけて作る」というコンセプトで二年かけてお一人で制作されたそうです。すごい…。そしてそのコンセプトが、拙僧のアーティスト活動とも重なり、勝手に共感してしまったわけです。

小物もピカピカ光っていてとてもかわいい。どこを撮っても映える。
今回のようにMV制作だけでななく、コスプレやドール撮影、朗読会などでも利用されているそうです。皆さん、気になった方はぜひ利用されてみてはいかがでしょうか!本当におすすめ。

撮影・編集さんとの出会い

もうここしかない、というスタジオで撮影場所はばっちり決まり、後は撮影・編集してくださる方を探しました。
突然ですが私は前職でクリエイターさんに発注・ディレクションするお仕事をしていたことがあるんですね。そこでも利用していたランサーズでお願いできる人を探そうと決めました。理由としては、敷居の低いスキルマーケットサービスと比べると、このシステムを利用している人は趣味ではなくお仕事として登録している人が多いので、お目当ての方を検索しやすいというのがありました。
そこで調べまくった結果、ビビッとくる方がいたんです!

動画クリエイターRUKAさん

上のページのMV作品を拝見して思ったのが、音楽に映像がめちゃくちゃ合っている!ランサーズで検索かける前、他の制作会社や、ココナラなどのサービスでも色々みたんですね。で、その頃になると私の目もかなり肥えていたわけです。ここまで音楽のノリと映像のリズムを合わせられるセンスがすごい!!お一人で制作されているにも関わらず、作品のクオリティが高い。お若いクリエイターさんなのですが、YouTubeにもかっこいいシネマティック動画が投稿されていたりと大いなる可能性を感じました。
この人や!と思い、お問い合わせしたところ、料金も柔軟に対応いただき、即お願いすることになりました。

ディレクションは綿密に~当日慌てないために

今回は自分でディレクションすることに決めていたので、Googleスプレッドシートにイメージや要望・決まっていること・決まっていないことなどを画像つきで細かく説明しました。楽曲のイメージを少しでも共有したく、音源や歌詞だけでなくイメージ小説も資料として添付しました。

そして、メイン資料として以下のような、歌詞ごとに撮りたいイメージを説明したディレクションシートを作成しました。

これが事前に用意していたシートです。泉の表現がスモークでできるのかどうか懸念していました。

今回は実際にスタジオを見ていなかったため、半分くらいイメージを指定し、半分くらいはその場のインスピレーションに任せて撮影することにしました。せっかく良いセットがあるのに、あまりガチガチに決めるのももったいないですよね。かといって何も決めていなくて、時間切れとかにはなりたくなかったので、できるだけ撮りたいカットは事前にメモしておきました。当日はこのシートを印刷し、撮影したかどうかチェックを入れながら進めました。
これらのシートや資料、あと当日の衣装のイメージ画像や、イメージに近い既製MV作品のYouTubeURLなど、できるかぎりの情報を載せ、RUKAさんに共有しました。そして一度オンラインの顔合わせ打合せをさせていただき、「怪しいモンではないですヨ!」とご理解いただくことができました。(重要)

さらに撮影後、撮影中の記憶をもとに、編集で使用したいカットを歌詞ごとに説明したシートを共有した上で編集作業に入っていただきました。

これが撮影後にお渡ししたシートです。
お任せで!というのも勇気がいることですが、どんな絵が上がってくるのか楽しみが増えますね。


まあ、これは前職のディレクションの現場で学んだことなのですが・・・
当たり前だと思っていることでも相手に伝えるということは大事だと思っています。「これは別に言わなくてもわかるか~」と思った前提的なこともあえて書いておく。自分では自分を客観的に見れないのでね…。細かく書けば書くほど、資料が多ければ多いほど齟齬が少なくなり、イメージの共有レベルが高まると思っています。

私は特に楽曲を依頼された時、ビジュアル資料や説明や作品への想いが多ければ多いほどやる気が増すタイプなので、発注する側でも気を付けたいと思っているところなのです。そこまで共有した上で、初めて発生する小さい齟齬を、リテイクというかたちで擦り合わせていけば一番良いと思っているんです。

さあ、また長くなってきたのでこの辺で。次回はいよいよ撮影当日のことについて書いてみるよ!撮り終わった後マジでフラフラになったよ!


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