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指輪にまつわるエトセトラ

指輪といえば

ついくせで、向かい側の人の左手薬指を見てしまう。
こんなに若い女性も既婚者なんだ!とか、くたびれたワイシャツ着てる既婚者の男性は奥様と喧嘩中かしら。とか、どうでもいい妄想を繰り広げている。
もっぱら、我が父の世代(60over)の男性は指輪をしていない、もしくは持ってない方も多いイメージだ。
だが最近の若い男性は、キラリと指輪が光る人が多い(ような気がする)。
スマホを持つ手を見るたび、キーボードに置く指を見るたび、大切な家族がいることを思い出すのだろうか。
かくいう我が母は、サイズが合わなくなったと数年前に外してしまったが。

さようなら、初代のリング

さて、わたしが初めて着けた指輪は、たしか幼稚園生のころ、ビーズでできたものだった。
当時、プリンセスのドレスが友人たちの間で流行り、わたしも欲しいと母によくねだっていたものだ。
ちょっぴりオシャレに目覚めたわたしは、青いビーズでできた指輪を大切に大切につけていた。
手を洗うときも、緩いから落とさないように・・

落ちた。

案の定、洗面所の細いパイプ目指して落ちていった。
真っ青になった。
大切な指輪なのに、落としちゃったことお母さんにバレたらどうしよう、と思ったのだろうか。
パイプの上にある、蓋をこっそりこっそり持ち上げた。
端に引っかかっている指輪を取ろうとして・・

落ちた。

U字パイプを、気持ちよさそうに指輪が滑り落ちていった。(もちろん見えない)
ここまで来て、無謀だと知りながらも母に泣きついた。
あの可愛らしいブルーの指輪を二度と見ることはなかった。

あれから18年。
オシャレに光る指輪を、輝く結婚指輪を見て、なにかわたしも指を装飾したいなあと思った。
少しずつ、少しずつコレクションを増やしている。
毎日着けるものだし、3桁の指輪は安っぽくて恥ずかしい。
旅先で購入したものや、大切な人にプレゼントしてもらったもの、お気に入りのブランドショップで購入したもの、少しずつキラキラしていった。

ある友人からは、ゴテゴテたくさん着けてる人キライ。と言われてしまった。
わたしも数年前は一理そう思っていた。
だけど、指輪もネイルと一緒で、他人のためではなく自分のためのオシャレなのだ。
名刺を渡すとき、スマホを持つとき、手を洗うとき、ふと指輪が目に飛び込んでくると嬉しくなる。
カラスと同じで、人はキラキラしたものを見るとテンションが上がるのだろうか。

ただし。

手を洗うときだけは細心の注意をしている。
もう二度と、悲しい思いをしないようにと心に誓いながら。

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