諸葛亮の死後、蜀漢の北伐戦線は大きな転換期を迎えました。正史『三国志』において、諸葛亮の死後の蜀漢の動向は、特に「蜀書」の姜維伝や鄧艾伝などで触れられています。諸葛亮は234年の五丈原での北伐中に病死し、彼の死は蜀漢にとって大きな損失でした。しかし、蜀漢は諸葛亮の遺志を継ぎ、北伐を続けることを決意します。

諸葛亮の死後の北伐

• 姜維の台頭: 諸葛亮の死後、姜維が蜀漢の北伐の主要な指導者の一人として台頭します。姜維は諸葛亮の軍事思想を引き継ぎ、積極的に北伐を推進しました。

• 継続される北伐: 諸葛亮の死後も蜀漢は北伐を続け、特に姜維は複数回にわたって魏への攻撃を指揮しました。これらの北伐は、諸葛亮の時代と同様、魏の強力な防御に直面し、決定的な成功を収めることはありませんでした。

• 蜀漢の内政: 北伐の継続と並行して、蜀漢では内政の安定化にも努められました。姜維は軍事行動に重点を置きつつも、蜀漢の経済や社会の安定を図るための政策も実施しました。

北伐の結末と蜀漢の運命

• 蜀漢の衰退: 継続された北伐と内部の問題により、蜀漢は次第に衰退していきます。資源と人的資本の消耗は、蜀漢の国力を弱める一因となりました。

• 蜀漢の滅亡: 263年、魏の将軍鄧艾と鍾会が蜀漢に侵攻し、成都を陥落させます。これにより蜀漢は滅亡し、三国時代の一章が閉じられました。

諸葛亮の死後も蜀漢が北伐を続けたことは、彼の遺志と蜀漢の野望を象徴するものでした。しかし、継続された軍事行動と内部の問題は、最終的に蜀漢の衰退と滅亡を早める結果となりました。正史『三国志』は、蜀漢の北伐戦線とその結果について、詳細な記録を残しており、後世の研究者にとって重要な情報源となっています。

#三国志勉強ノート 　No.89